GROUP DISCUSSION2024.6.26

使命感をもって、四国から世界に電気を届ける。UIターンで、スピード感のあるダイナミックな仕事に出会った。ー四国電力(株)・国際事業部 宮川氏・伊藤氏・神谷氏ー

GROUP DISCUSSION2024.6.26

使命感をもって、四国から世界に電気を届ける。UIターンで、スピード感のあるダイナミックな仕事に出会った。ー四国電力(株)・国際事業部 宮川氏・伊藤氏・神谷氏ー

2000年に入ってから海外事業を開始、2018年には「国際事業部」を正式に発足させ、海外への展開を活発化させている四国電力(株)。その国際事業部に転職し、まだ入社後3カ月から1年程度と短い期間ではありますが、経験を積みながらそれぞれの仕事に取り組んでいるのが宮川氏、伊藤氏、神谷氏の3名です。いずれも東京・大阪の大手企業に就職していましたが、30歳前後で四国にUIターン。今は国際事業部で、海外の発電プロジェクトなどを担当しています。彼らがどのようにこの仕事に出会い、そしてどんなやりがいを感じているのか。様々な角度からお聞きしました。

変化が多く、刺激がある。


溝渕
今回はみなさん、新卒で大都市圏の会社に就職したものの、その後四国へUIターンをした、というご経歴の方々です。なぜUIターン転職に至ったか、理由を教えてもらえますか?
宮川
私は愛媛出身で、ずっと地元で暮らしてきました。でも地元以外を経験するのもいいな、と考え、大手の金融機関に就職。希望した通り、東京の配属となりました。しかし、長くいると、東京は遊ぶにはいいけど、住む所じゃないと感じるようになったのです。一度、異動で新潟に配属されたのですが、地方の良さに触れ、やはり地方はいいな、と四国に帰りたい気持ちが強くなって。新潟にいた時に結婚もしたのですが、子どもが生まれたりしたら、地元で育てたい…とライフプランを見直すようになりました。
東京本社の金融機関から四国へ転職となると、年収は下がるだろう、という不安があったのも確かです。しかしそれ以上にメリットの方が大きいのではないかと考え、Uターンに踏み切りました。
溝渕
四国電力を転職先に選んだのはなぜですか?
宮川
前職で、コーポレート・ファイナンスや担当法人顧客の事業戦略に対するソリューション営業に携わっていました。その経験を、海外事業というスケールの大きな領域で活かすことで、自分が成長できるのではないか、と感じたからです。就職してから全く使っていなかった英語スキルを使えそう、という期待もありました。


溝渕
伊藤さんはいかがですか?
伊藤
大学は京都で、大阪の産業機械・ディーゼルエンジンメーカーに就職。10年近く関西で過ごしました。関西はとても気に入っていたのですが、就職して5年を過ぎた頃、ある程度自分のキャリアの行く先が見えてしまって。この先定年まで同じ事業部で同じ製品を相手に、同じことをやるのか…と、マンネリに陥っていたのかもしれません。仕事やライフスタイルを、一度大きく変えてしまうのもいいんじゃないかと思いました。年齢的に30歳前だったので、選択するなら今かなと考え、動き出しました。
そういう感じでのスタートだったので、どうしても地元じゃないといけない、というわけではなかったです。徳島で生まれ、京都で学び、大阪で働いてきて、それぞれの場所に友人・知人ができていたので、つながりを大事にできる場所がいいな、とは思っていました。結果的に香川に転職できたのは良かったと思います。関西からも実家からも程よい距離感なので。
溝渕
神谷さんはなぜUIターン転職に至ったのですか?
神谷
私は大阪出身で、妻が岡山出身。いずれも四国ではないんです。商社に就職し、仕事はずっと東京でした。でも、住むのにベストかと言えばそうではなく、子どもが生まれて以降は、いつか西日本に戻りたいね、という話をよくしていました。
在籍していた商社から一時出向していたことがあり、そろそろ本社に戻るというタイミングを迎えていました。子会社から本社に戻るのも、別の会社に転職するのも、環境の変化という意味では似たようなもの。それであれば、このタイミングで転職してもいいんじゃないか、と思ったのです。
後は、巡り合わせです。地元に近い四国電力が、国際事業を本格化させようとしている。IPP(独立系発電事業者)としての海外展開は、商社にいた頃から手がけたいと思っていた仕事の一つでした。地元の近くにやりたい仕事があるなら、ぜひ行ってみよう、と決断しました。
四国電力の国際事業、という仕事に出会えなければ、動けなかったかもしれません。単に物を売るのではなく、海外プロジェクトを進めないといけない。新しいことをどんどん覚えないといけない。変化が多いので面白そうだ、と感じました。こういう仕事が地方にあるとは、正直思っていませんでした。

知識がどんどん身につく。成長が実感できる。


溝渕
現在の仕事内容について、教えて下さい。
宮川
私は北米・南米の案件を担当するグループに属しています。今は、既に進行している案件の事務管理・運営管理を行いながら、プロジェクトの進め方を学んでいるところです。月1回送られてくるマンスリーリポートを要約したり、決算書を見て財務・収益面をチェックしたり、現地の事業会社の取締役会に参加、といったことが主になります。
決算書のチェックなどについては、前職の銀行の知識が活かせていますが、経験として新しいことの方が多いですね。コーポレート・ファイナンスはやっていたものの、プロジェクト・ファイナンスとなると枠組みが違ってくるので。しっかり学んでいきたいと思います。英語スキルも、いつでも使えるようにサビを落としつつ、向上させる努力を怠らないようにしないといけません。
伊藤
私は主に東南アジアの案件を担当しています。今、関わっているのは、ベトナムの太陽光発電所と、石炭火力発電所です。いずれも出資者として参画しており、プロジェクトマネージャーの指導を受けながら、できることから引き継いでもらっている、という感じです。
前職で営業として扱っていたのは、市場シェアトップの製品だったので、知名度もあり、やりやすい部分もありました。しかし海外事業の場合、それらのアドバンテージがありません。知名度に頼れない中、どうやって関係者と信頼を築いていくか。そこにやりがいを感じます。
また前職では、組織も大きかったこともあり、社内の技術部門と意見調整をした上で商談にあたるため、社内調整にも時間がかかっていました。国際事業部は互いの距離が近く、社内調整の時間を要さない、という点がやりやすいですね。
神谷
私は宮川さんと同じグループで、北米・南米の案件を担当しています。今、携わっているのは、北米のガス火力とファンドの案件、南米・チリの太陽光案件です。取締役会に出席して今後について議論したり、プラントの視察に行ったり。現場に行ったタイミングで、新たな案件につながりそうなネタ探しも行います。
海外での交渉や事前準備、仕事の進め方などといった面は、前職経験がある程度活かせています。ただ、前職ではトレーディングが中心でしたが、ここでは事業投資になりますし、業界も全く違う。国柄にも差があるので、新たに学ぶことの方が多い。刺激が多くて楽しいですよ。スキルを高めていけば、対応できる範囲がどんどん広がっていきそうです。


溝渕
実際に働いてみて感じた、国際事業部の仕事の魅力はいかがですか?
宮川
どの案件も、いろんな人と協調しないといけません。技術担当の方とか経理の方とか、わからない点を教えてもらって、知っておかないと判断できない。そういう大変さはあるけど、知れば知るほどできることが増える、成長が実感できる楽しさがあります。
伊藤
いろんなバックグラウンドを持つ人が集まっているので、幅広く勉強できて知見を増やせる点に魅力を感じます。プロジェクトを進めるには様々な知識が必要で、自分の得意なものを活かせる場面も必ずあると思います。そこから入っていければと考えています。
神谷
個人の守備範囲が広いですね。営業であっても、技術のこと、財務・税務・法務のこと、もちろん経営のことも、ある程度分かっていないと、協力パートナーや海外の事業者と話ができない。国際事業部は、一つの組織の中にそれらの専門家がいます。だから聞きやすいし、自分の知識として身につけやすい。力をつけられる仕事だな、と感じます。

熱い思いで、世界の課題に取り組む。


溝渕
国際事業部の風土については、どう感じますか?
宮川
社員の距離が近いですね。社内の雰囲気が良いので、質問しやすいです。
伊藤
私も距離の近さを感じます。営業は営業で、技術は技術で固まる、といった部門の壁がないから、いろいろなことを教えてもらえます。入社前は、もっと堅いイメージをもっていましたが。
神谷
上司になる事業部長は、30代後半に青年海外協力隊に応募してセネガルに行った、とてもユニークでフランクな方です。いつも近い距離感で気さくに接してくれます。だから、何かあればすぐ相談にいける。社長など経営陣の方とも距離が近いので、意思決定のスピードが早いんです。あちこちに稟議を回して…という煩わしさがなく、すごくやりやすいです。事業の柱として成長していく領域でもあり、経営陣の方の理解が得られやすいこともあると思います。
四国電力の海外事業に関する取り組みは、国内の他の電力会社と比較しても早い方だった、と聞いています。新しいことに積極的で決断が早いのは、国際事業部だけでなく、四国電力全体のカルチャーかもしれません。
溝渕
海外で電力供給の仕組みを作るという仕事を行う上で、何が自分のエネルギーになっていると感じますか?やはり使命感でしょうか。


宮川
縁もゆかりもない海外で案件を進め、その地域の人に喜んでもらえる。その案件から得られる成果を、地元の四国の発展に還元できる。そういう点が、自分のエネルギーになっています。
伊藤
プロジェクトや事業部単位での目標を着実に達成し、期待に応えないといけないという意識は、事業部全体で共有されています。入社したばかりの私でも、しっかり進めないといけない、という使命感を感じますね。
神谷
社内のしがらみとかわけのわからない慣習とか、そういうものは一切なくて、全員が同じ目標に向かって進んでいる。熱い思いを持った集団だな、と実感します。
私たちは中途入社組ですが、もとから国際事業部にいる人々も、四国電力内のいろんな部門で多彩な経験を積んだ後、全員が希望して異動してきている。使命感を持った、熱量の高い社員が多い組織なんです。中途入社の社員が違和感なく溶け込んでいけるのも、同じ目的意識を共有しているからではないかと思います。当事者意識を持ち、一緒に挑戦していける、という風土がある。こういうメンバーと働いていると、自分も責任を果たそうという使命感を自覚しますし、エネルギーが湧いてきます。
溝渕
みなさん、前職も大手におられたわけですが、仕事のダイナミックさ、規模感などについてはどのように感じられていますか?
宮川
私にとっては、むしろ規模は大きくなりました。
伊藤
私も、地元に戻ってやりがいが小さくなった、とは感じません。最前線を経験しているプロフェッショナルの多い職場なので、ダイナミックになったと思います。
神谷
事業部長の橋本はよく「四国電力の国際事業部の競争優位性は“人”だ」と語ります。それには私も強く共感します。技術力が高いとか専門性を持っているというのもそうなんですが、この仕事に対する責任感、世界に電気を届けようという使命感が大きいと言うか。そういう人々と一緒に働いているので、とても刺激的です。

動いてみれば、可能性は開ける。


溝渕
UIターン転職を経験されたみなさんから、今後UIターンを検討されている人に伝えたいことはありますか?
宮川
現状に違和感を覚えているのであれば、取り敢えず動いてみたらどうか、と思います。私は地元に戻りたい、という気持ちが先にありましたが、銀行の知識を活かせる仕事と言うと経理かな…くらいのイメージしかありませんでした。実際に経理志望で転職活動を始めたら、実務経験がないなどの理由で、転職先を見つけるのに苦労しました。しかし動いてみると、国際事業部のような、自分では考えもしなかった仕事を、リージェントの方のサポートもあり、見つけることができました。まず動いてみたら、可能性は開けます。
伊藤
地方に行ったらスケールの大きな仕事ができなくなる…なんてことはありません。都市部と同じような仕事の規模感、ダイナミズムを味わいながら、地方ならではのライフスタイルの充実を求めたいと思う人に、ぜひ薦めたいですね。


神谷
地元に戻りたい、ということは、見方を変えると、住む場所は既に定まっている、とも言えます。その条件の中で、自分のやりたい仕事を最大限に探せばいい。住む場所は決まっていて、後は仕事を見つけるだけだから、実はシンプルな問題じゃないか、と思います。あまり難しく頭を悩ませるのではなく、その場所でやりたい仕事に関わることを考えた方がいいのではないでしょうか。
宮川
住むところが定まっていれば、生活に対する考え方も変わりますからね。都会で高収入を得ていても、よくわからないことに散財していたのでは、暮らしは充実しない。収入は多少落ちても、自然に恵まれ、生活にお金のかからない地方で暮らした方が、満足感は高まるかもしれない。自身のライフプランを考えて、動いてみたらいいと思います。
溝渕
今後のみなさんの展望、目標をお聞かせください。
宮川
まだまだ勉強途上なので、交渉力や英語力をしっかり磨いて、いずれはプロジェクトマネージャーとして案件を引っ張っていけるようになりたいです。
伊藤
就活や転職で「国際的な仕事がしたい」という人がいても、四国電力の名は一番手に上がらないと思うんです。商社とか、グローバル展開しているメーカーの方がわかりやすいですから。そのイメージを変えたい、とも思います。地方の会社だけど、世界の最前線で活躍できるチャンスがある企業、という認識が広がったら、さらに多彩な人材が集まるのではないかと思います。
神谷
一人でプロジェクトを開拓し、動かせるようになりたい。この仕事の醍醐味は、そこにありますから。現状は経験上、プロジェクトリードを商社にお願いするパターンが多い状況です。しかし、いつか私たちが主軸に立ったプロジェクト推進を担いたい。商社出身の私が言うのもなんですが、商社や他のパートナーに依存しなくてもプロジェクトを推進できる、という存在になりたいですね。
溝渕
今日は、四国にUターンしてこられたみなさんの熱い思いに触れることができ、嬉しく感じます。みなさん、お忙しいところありがとうございました。

「四国電力・四国電力送配電への応募検討のために必要な情報を得たい」、「今すぐの転職希望ではないが将来に向けて情報を得たい」という方々を対象に、事前相談の機会を設けています。具体的に検討を進めるきっかけとしてぜひご活用ください。

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宮川 佑樹(仮名)

四国電力(株)国際事業部

愛媛県出身。大学を卒業後、大手銀行に入社。法人営業として、中堅・中小企業向け融資や担当顧客へのソリューション提案を担当していた。しかし、東京で生活してみて、地方の暮らしの良さを再認識。金融機関で身につけた財務の知識を活かし、地元へUターン転職をしようと動き出したところ、四国電力の国際事業部に巡り合う。2024年、国際事業部へ転職。主に北米の案件に関わる。

伊藤 智也(仮名)

四国電力(株)国際事業部

徳島県出身。マンチェスター大学への留学経験あり。大学を卒業後、大阪を本社とする大手建設機械・ディーゼルエンジンメーカーに就職。5年間働いたものの、ずっとこの仕事を続けることに疑問を感じ、仕事とライフスタイルの双方を大きく変えてみようと決断。2023年、四国電力の国際事業部に魅力を感じ、転職する。現在はアジアの開発案件を担当する。

神谷 昌吾(仮名)

四国電力(株)国際事業部

大阪出身。大学在籍時、1年間休学して、バックパッカーとして世界を旅して歩いたこともある。大学卒業後は商社に就職。東京で新興国向けのトレーディングを担当していた。しかし、自身は大阪出身で、配偶者が岡山出身であったことから、いずれは西日本に戻りたい、子どもは地元近くで育てたいという希望を抱いていた。2023年、出向していた子会社から親会社に戻る、というタイミングでUターンを決断。四国電力の国際事業部に転職する。現在は北米・南米の事業開発・運営に携わる。

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