最初は「絶対に香川に戻る」ではなかった
- 佐々木
- 3人とも都会で仕事を経験した上でUターンされていますが、まず初めに香川に帰ることを意識したきっかけから教えてください。
- 近藤
- 前職は東京のIT企業でインフラエンジニアをやっていました。大手だったのでいろいろな案件に携われるのは魅力でしたが、大きな規模のプロジェクトを任されることになって、昼夜問わず根詰めて働くうちに体調を崩してしまいました。そのタイミングで自身の働き方やキャリアを再考する中で転職を考えるようになりました。
- 佐々木
- その時から地元の香川に戻ろうと考えたのですか?
- 近藤
- 当初は「絶対に香川に帰る」とは思っていませんでした。とは言え、地元に帰る選択肢も検討しようと思い、自治体が開催するUターンセミナーに参加したり、求人の紹介もいただきましたが、この仕事がしたいと思えるものになかなか出会えず、東京で転職することも並行して検討していました。そんな中、佐々木さんからオファーを受けたことがきっかけとなり具体的な検討が進みました。
- 佐々木
- 面談した時、近藤さんのような方にぜひ香川に戻ってきてほしいと感じたことを今でも覚えています。近藤さんが経験してきたような規模感の仕事は香川にはないけれど、新たなキャリアを積むことに可能性を感じてもらえる企業はきっとあるはずだと思い、たどり着いたのが当時デジタル領域の可能性を色々と模索していたアド・セイル社でした。
- 川添
- 当時、近藤のことを聞いてすぐに面接の依頼をしました。こんな優秀な人がうちに来てくれる機会を逃してなるものかという気持ちでした(笑)。
- 近藤
- 面接では堅苦しい雰囲気はなく楽しく話をさせてもらった、という感じでした。不思議と昔からの知り合いのように話せたことが印象に残っています。当時、デジタルマーケティングの経験は全く無かったですが、データを取り扱う作業は学生の頃から得意だったし、人との関わり方を追求する仕事にも興味があったので、適応できるのではないかと思いました。何より香川というローカルにありながら、本格的なデジタルマーケティングに取り組もうという姿勢に共感できたので、ここならと思いUターンが決断できました。
ここなら楽しく働けそう、というイメージが湧いた
- 佐々木
- 関さんがUターンを決めた理由は何だったのですか?
- 関
- 東京本社のクレジットカード会社で企画職として働いていたのですが、重要なプロジェクトを任されるものの何をやるにしても社内調整が何重にも必要で、実現までに時間がかかるところにフラストレーションがたまっていました。また、キャリアアップを考えた際に、管理職は部署間調整や経営会議向けの資料作成に追われている印象があり、もっとお客さんに直接関われる仕事をしたいと思ったのが、そもそも転職を考えたきっかけです。ただ、私もすぐに香川に絶対帰ろうと思ったわけではなく、香川で働くことは仕事の選択肢が限られるイメージが強く、理想的な仕事が見つけられるとはとても思えていませんでした。
- 佐々木
- 当初は香川で働くことにはネガティブなイメージだったという感じですね。
- 関
- とは言え、生まれ育った場所でもありますし、家族の近くで暮らせることは悪くないかな…と思っていました。当時は忙しさやストレスもあり思うような睡眠ができていなかったのですが、一度帰省した際に自分でもびっくりするくらいぐっすり寝ることができました。それから瀬戸内の島に行ったり、ぶらぶらと散歩をする中で、瀬戸内の風っていいな、とすごく癒やされました。これは学生時代に過ごした時には気がつけなかった地元の魅力でしたね。
- 佐々木
- その帰省がきっかけで本格的にUターン転職を検討されたんですね。
- 関
- 最初は自治体の相談機関や人材紹介会社へ相談に行ったのですが、求人をあまり紹介いただけませんでした。困っていたところに佐々木さんから連絡をいただいて。アド・セイルを紹介してもらい、そこからはとんとん拍子。1月から活動を開始し、4月には入社が決まっていました。
- 川添
- 佐々木さんから連絡を受けて、ちょうど香川に帰省しているとのことだったので「急ですが明日会えませんか?」と打診をさせてもらい、急遽面接に来てもらいましたよね。
- 関
- 面接日は休日だったのでオフィスに誰もいなかったのですが、面接が終わった後に川添が席を1つ1つ指しながら「ここには◯◯という人がいて、こんな人なんです。」という具合に社員紹介をしてくれたんです。その様子を見て、一人ひとりを大事にしている、ということがひしひしと伝わってきて、楽しく仕事できそうなイメージが湧きました。それを聞いている時に、ここで働きたいと決意しました。
デジタルマーケを実践するために、アド・セイルへ
- 佐々木
- 最後に川添さんの経緯をお聞かせください。
- 川添
- 私は愛媛県の南予にある結構な田舎町出身で、大学から東京に出て、そのまま就職しました。販売促進のプロモーションを企画提案する企業を経て、スポーツ分野に特化したマーケティングの企画提案をする会社の2社を経験しました。その後、リーマンショックを機に急激に業界が冷え込んだことで転職せざるを得ない状況となってしまい、東京で活動しようにもどこも業績不振で求人は見つからなく、目を向けたのが地元である四国に戻るという選択肢でした。当時はUターンの情報といっても今のようにWeb上で情報を得ることも難しい状態でしたので、知人を介して情報を集め、中四国をベースに広告代理店事業を展開するセーラー広告にたどり着きました。
- 佐々木
- アド・セイル社で働くことになるのはどのようなタイミングだったのでしょうか?
- 川添
- アド・セイルはセーラー広告と東京・大阪を中心にWebマーケティングを行う広告代理店のアドデジタル社が出資し、2008年に設立されました。ネットと既存メディアのクロスメディア戦略を推進する会社として誕生したのですが、ローカルではまだ早すぎたのか、なかなか思うような立ち上がりが実現できておらず、その後CRMシステムを展開するシナジーマーケティング社のサービスを扱うことになり、2011年ごろに私が出向する形でその担当となりました。当時はまだまだ地方には根付いていなかった時間軸を意識したマーケティングをベースに顧客に向き合っていました。創業しばらくはWeb制作を中心とした仕事がメインではあったのですが、徐々に制作ではなく制作した後のマーケティングに重きを置くようになり、現在のデジタルマーケティングを主軸とする会社に移行していきました。
お客様の存在を、身近に感じる
- 佐々木
- 近藤さん、関さんはアド・セイル社に来て、異業界からこの仕事を始めることになりましたが、戸惑いなどはありましたか。
- 近藤
- 入社してすぐに当時の社長から「新しいタイプのバナー広告商材ができたので、これを売り歩こう!」と言われました。入社前に顧客とのコミュニケーションを深めるCRMなどの提案を担ってもらうという話をされていたので多少面食らいましたが、すぐに九州から中四国への出張が始まりました。そのスピード感に、まず驚かされました。特に新鮮だったのが会う人のほとんどが「経営者」だということです。前職で顧客と会う場合は、システム担当の方ばかりでした。それがいきなり経営者ですから。業界も多彩で短期間で数えきれない数の経営者に会うことができ、一気に世界が広がったことを覚えています。こういう体験は、東京にいる時には味わえない感覚でした。
- 関
- 大きな変化としては、前職では提案を受ける側でしたがアド・セイルに入社してからは自分が提案する側になりました。また、取り扱う金額の差にも最初はちょっと驚きました。一番大きな変化は近藤を始め、アド・セイルにいた方々が仕事を楽しみ能動的に働いている仕事の姿勢の違いでした。全員が当事者意識をもってクライアントの役に立とうと知恵を出し積極的に行動に移していていました。そういう雰囲気がとても好きでした。
「やったことないけど、できるような気がする」
- 佐々木
- 特に思い入れのある仕事について教えてください。
- 近藤
- いろいろあるのですが、一つは初期の頃に取り組んだある学習塾のWebプロモーションです。Web広告の配信に加えて、広告の受け皿となるWebサイト制作も自分でやってみました。もちろん全部はできなくて社内で助けてもらった部分もあるのですが、大半の工程に関わったので思い入れは強かったです。その結果、入塾希望者の増加に貢献でき、クライアントと喜び合えたことが印象に残っています。当時、サイト制作に関する経験はなかったのですが、結果を出すために必死に学べたことがWebプロモーションの全体像の理解に非常に役に立ちました。その後に制作会社に依頼する時も、より具体的な発注ができるようになりました。
- 佐々木
- 自ら進んで体験するので、経験値の上がり方が違うのですね。
- 関
- この会社にいる人は「やったことないから無理」と言う発想ではなく、まず調べてでもやってみることを大事にしています。そんな雰囲気の中で仕事していると、自分も「やったことはないけど、できるような気がする」と思い始めるんです。それで前向きになってしまう。みんな探究心が強いのだと思います。
- 川添
- いつでも何でも一人でやる、という状態は良くないけど、「これはどうなっているんだろう?」と気になって自分で調べたことを社内であーでもないこーでもないと会話しているうちに、どんどん新たな知識がついていくということがよくありますね。
自治体の期待に合致した「ミッドナイトおおいた」
- 近藤
- もう一つは、2023年の大分県観光プロモーションです。
通常、観光案件は専用のサイトを作成し、そのサイトに訪れた人の動向を調べる、という提案になりがちですが、それでは「実際に該当地域へ来訪した人の動向」や「どんな消費が行われているか」が把握できないという課題がありました。そこで「キャッシュレスデータから大分県に実際に来訪した人が何に消費したかを可視化し、そのデータを分析して課題を洗い出しアクションに繋げていく」というプランを提示しました。分析後は、課題解決に向けたストーリーの組み立てについて、1000本ノックのようにアイデア出しを重ね、その中でハマったのが「ミッドナイトおおいた」です。観光案件で夜をテーマにするのはとても珍しいのですが、夜までいたら泊まってくれるし、飲食などもしてもらえる。実際に来訪して消費を促せるということで、採択に結びつきました。 - 関
- 観光プロモーションでは、動画をYouTubeで◯ヶ国に配信し、◯回の視聴回数が取れた、というようなことはどの自治体もやっています。しかし、それが実際の観光にどこまで結びついているのか、実態把握まではできていないところが多いんです。やる気はあるが、方向性が見えないと真剣に悩まれている自治体も多く、そのようなタイミングで数字の見方、データの把握の仕方を伝えるだけでも「もっと知りたい!」とかなり前向きに求められることが多くなっています。
- 近藤
- 進行中はもちろん大変なことがたくさんあったのですが終わってみれば大成功で、結果としても満足いただけるものになったことがうれしかったですね。ここまで多くの社内外の人が関わり、大掛かりな取組みとなったことは今までにないケースで、この成功は今後に繋がる大きな自信となりました。
- 佐々木
- 大分の案件で制作した観光動画の『【ミッドナイトおおいた】おんせん県おおいた MV feat. マーク・パンサー full』は、国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2023」の「観光映像大賞」ファイナリストにも選出されたと聞いています。動画も拝見しましたが、素晴らしいですよね。
- 川添
- 自治体には、まだまだデジタルマーケティングをうまく活用できていないところが多くあります。自治体の究極の課題は人口減であり、最終的には移住、子育てに取り組んでいかないといけない。観光にフォーカスするのも、それによって経済を活性化させ移住人口が増やしたい思惑があります。しかし、これらの課題を見据えながら各種の施策を体系的に進めているかというと、そうなってなかったりします。
- 近藤
- 愛媛県での案件も印象的です。
当初、行政全体でデジタルマーケティングに取り組んでいこうという方針が掲げられていました。外部から専門家を招聘し、庁内での啓発活動を行っていたものの、具体的成果に繋がらない。インバウンド用のWebサイトを立ち上げたり、動画をYouTubeで配信したりしているのだけれど、データ収集・分析のノウハウがない。
そこでアド・セイルがデータを収集・統合した上でデータ分析から課題を抽出し、次の打ち手を考案して成果を出すお手伝いをすることになったのです。何か一つの制作物やプロモーションプランを提案するのではなく、職員の意識変化まで含めて庁内全体にデジタルマーケティングの発想・手法が浸透するように伴走するプロジェクトとなりました。 - 佐々木
- 短期間での解決は難しそうな案件ですね。
- 近藤
- 伴走を開始して3年になりますが、年を経るごとにステップアップしています。庁内のデジタルマーケティング専任部署の方々と一緒に進めているのですが、私たちの提案したマーケティングツールを使って必要なデータを収集し施策の立案に活用する、といった動きが庁内で起こっている、と喜んでいただいています。
- 川添
- 自治体には、この地域を何とかしたいという想いの強い人がたくさんいます。こういう人たちと協力してプロジェクトを動かしていくのは非常にやりがいがありますし、我々の暮らす地域、地方創生にも繋がっていくという当事者意識も非常に湧きますね。
「愛とテクノロジー。」が生み出す、居心地のいい職場
- 佐々木
- アド・セイル社には業界未経験スタートでも活躍している人が多いように思うのですが、これはなにか理由があるのでしょうか?
- 川添
- 採用の基準として業界経験の有無はあまり重視していません。むしろ業界経験はなくても、何かしら実業の経験をもっていることの方が大事で、その経験があればクライアント側の視点に立って、必要な考えや準備をリアルに想像することができます。そういうバックボーンをもったメンバーが多いことが特徴です。
- 関
- 顧客視点に立ってとにかく考え尽くすことを楽しんでいるメンバーが多いことが特徴かなと思います。顧客の課題を特定した後の打ち手を検討する際に、よく社内でああでもないこうでもないと考えを巡らせ、周りのメンバーも良い意味で口出しをしながら施策を練っているような場面がよくあります。そういう雰囲気があることが理由の一つでしょうか。
- 近藤
- それぞれが関心を持っているテーマや新たに得た知識などについても、オフィスや社内チャット上で自然と会話が始まります。内容も仕事の話もあれば単なる雑談もありますが。世の中の変化やトレンド、新たなテクノロジーなどに対してみんながアンテナをもっていてそれらを自然とシェアする文化があります。
- 佐々木
- 何でも話し合える心理的安全性が確保されている様子を感じますよね。
- 川添
- マニュアルやルールなどの縛りで組織が動いているわけではなく、それぞれが意思をもって関わり合うことで、クライアントに対して新たな価値を発揮できているような感覚があり、これが成り立っていることが現在の強みに繋がってきているような気がします。
- 関
- コロナ禍以降は出社に関しても自由意志でリモートワークが選択可能となっていますが、対面であまり話さないのにチャットツールだとすごく活発に発言する人もいます。社員それぞれのスタイルを尊重してくれる点も居心地の良さを生んでいますね。
- 川添
- 当社は「愛とテクノロジー。」というコーポレートボイスを定めています。デジタルマーケティングは、どんなツールを使うべきかなどテクノロジー部分にフォーカスして検討されることが多かったりします。しかし、テクノロジーはただの手段にすぎません。手段を選択する以前に、クライアントの事業や業務の徹底した理解の上で、取り組みの目的・ゴール設定を行い、人間の動きや行動心理など理解をベースにテクノロジーの活用が検討されることが、我々が大切にしている価値観です。データの山から現場で起きていることや人間の心理や行動が見えてくるような感覚、それが楽しいと思えるかどうかが経験以上に大切な適性だと考えています。
地方に来ると、「豊かさの質」が変わる
- 佐々木
- 自治体など規模の大きな案件では、全国大手の広告代理店とのコンペとなっても御社の提案が採択されていると聞きますが、その要因は何でしょうか?
- 関
- まさに「愛とテクノロジー。」が体現されているところで、我々の強みは地方に根差して事業展開をしているからこそ養われている現場の感覚があります。その上で、データ分析やマーケティングを、時には翻訳しながらクライアントに伝えていくことで正しく理解いただき、丁寧に伴走をしていくことで事業の結果に繋げています。
- 川添
- 都会からのテクノロジード主体の話は、そのまま地方に持ってきても上手くいくことは少なく、舶来品の提案を受けて買ってみたもののどうすればいいか分からないといったようなケースを目にすることが多々あります。
- 佐々木
- 都会と地方のビジネス上の感覚の違いですね。その他にも、都会と地方の違いを感じることはありますか?
- 関
- 四国にUターンし仕事をする中で感じた大きな違いは、一人あたりの占める役割が大きいということです。自分が地域や会社に所属している1人であるという自覚と共に、周囲に与える影響も断然大きくなります。また、新たに何か始めようとした時、キーパーソンがみんな顔の見える範囲で繋がっていますから実現しやすいのです。声をかけやすく、アクションを起こしやすいことが、地方の特徴だと思います。逆に、決まったルール、規律の中でしっかり稼ぎたい、大きな組織に帰属しているという安心感を得たいなら、都会にいた方がいいでしょう。しかし、新しいことをしてみたい、地域の様々な人と繋がり、イノベーションを起こしたいというマインドを持っているなら、地方にチャンスが多いと思います。
- 佐々木
- 経済的な観点はいかがでしょう。お二人とも東京で働かれていた時に比べ給料が下がっているのではないかと思いますが。
- 関
- 確かに収入は多かったのですが、東京ではハードに働いて、ストレスが溜まると飲みに行くじゃないですか、毎晩のように(笑)。で、終電がなくなってタクシーで帰る。体の疲れが取れないので毎週マッサージに行き、気分転換に3ヶ月に1回は海外に旅立つ。私の場合はそんな感じだったんで、むしろ地方に来てからの方が貯金は増えているくらいです。
- 近藤
- 確かに入社時の給料は下がりましたが、家賃も半分になりました。Uターン当初は引越代や、移動の手段として車も購入したので貯金は減りましたけど、普通に暮らす分に不便を感じることはないです。むしろ車を買ったおかげで、行動範囲が広がりました。小さい子を連れての電車移動はしんどいものですが、今は車なので子どもと出かけるのが楽しくなりました。海や山が近く、子どもも嬉しそうです。
確かに、東京で働く昔の同僚の中には、すごく稼いでいる人もいます。でも、同じ尺度の中で生きているわけではありませんから。地元に帰り家も建てた。スーパーに行くと活きの良い刺し身が安く売っている。そういうライフスタイルに満足しています。 - 佐々木
- 四国に戻ったことによって、「幸せ」の質が変わったのですね。
- 川添
- 地方にいると当たり前なのですが、約20~30分走れば海にも山にも行けます。両親のサポートを得ることで子育ての負荷を軽減できたり、自然に触れることで子どもの感性が豊かになったりと、お金に換算できないような価値がたくさんあります。地方には、そのような「名前がついていない幸せ」がたくさんあるように思います。
意思決定が早く、信頼関係を築きやすい
- 佐々木
- コロナ禍以降、リモート勤務が当たり前になり働き方が大きく変化しました。どこにいても仕事ができるという状況になっているので、今後の採用戦略にも影響が出てくるように感じていますがどうでしょうか?
- 川添
- 我々の仕事はオフィスに出社しなければできない業務ではないので、四国に住んでいる人でなければ採用できないと考える必要はなくなったと感じています。「愛とテクノロジー。」に共鳴しミッション遂行を共にと思っていただける方であれば、居住地は限定せずに検討していきたいと考えています。
- 佐々木
- 都会とはクライアントの事業規模の違いなどがあると思いますが、今後の成長はどのようなことをイメージしていますか?
- 関
- 地方を対象とした広告だと、広告を見るのもその土地の人で影響範囲が広くないからそこまで予算がかけられない、ということはあります。ですので、サービスの形を工夫する必要があるかな、と思っています。
広告を出すか出さないかではなく、データ分析や判断方法などをサポートするとか。マーケティングツールがあっても使えないというお客様が多いので、そのサポートに価値を感じていただくことはできるのではないかと思います。そういったコンサル領域を拡充していくと、高付加価値のサービスが提供できるのではないでしょうか。 - 近藤
- 地方でも提供しているサービスの内容、デジタルマーケティングの手法という点では決して都会に引けを取るものではない、という手応えがあります。情報の活用の仕方に苦しむ企業はやはり地方に多いと思いますので、そういう人々の力になりたいですね。
- 川添
- 地方は意思決定が早い、というのもあります。経営者と距離が近いので話を通しやすいのです。思いついたら即実行できる、という地方ならではの環境を活かし、お客様のため、そしてその先にいる人々のためになる提案を続けていきたい。その努力を続けることで、アド・セイルに対する信頼を高め、良い関係を築いていきたいと思います。
- 佐々木
- 今日は、地方で活躍するという観点で多くの話がお伺いできました。四国を起点に地方をベースとした広い地域で活躍されている御社の今後の成長を今後も楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。
当社が運営する転職支援サイト「リージョナルキャリア」にて、アド・セイル(株)代表取締役社長 川添泰史氏の取材記事を掲載しております。併せてご覧ください。
川添 泰史
アド・セイル(株) 代表取締役社長
愛媛県出身。新卒でセールスプロモーション会社に入社。メガバンクや大手電機メーカーの関連会社などのプロモーション提案を担当。その後、スポーツマーケティング会社に転職。大手自動車メーカースポーツイベントに関わる広告・マーケティングなども手がける。リーマンショックを機に同社を離れ、四国にUターン。セーラー広告(株)に入社する。3年後、同社子会社であるアド・セイル(株)に出向。2016年、代表取締役社長に就任。
近藤 孝之
アド・セイル(株) 取締役
香川県出身。大卒後、日本ヒューレット・パッカード(株)に入社。システムエンジニアを担当。業務多忙で体調を崩したのをきっかけに転職を考え始める。地元である香川での転職情報には食指が動かず、東京での情報収集も並行して進めていたところ、リージェントからオファーを受ける。それからアド・セイルの紹介を受け、2013年、Uターン転職を決断。デジタルマーケティングの戦略立案、導入、運用、分析等を行う。2023年、取締役に就任。WACA上級ウェブ解析士、Google広告認定資格、Googleアナリティクス認定資格(GAIQ)を保有。
関 良子
アド・セイル(株) 執行役員 地域創生部長
香川県出身。大卒後、(株)ジェーシービーに就職。ファイナンス事業のシステム企画・会員向けスマートフォンアプリの立ち上げ・サイトリニューアルなどに従事する。多忙で体調を崩し、地元へのUターンを含め転職を志向し始める。リージェントからの紹介でアド・セイルとの面談に望み、社風・人柄の良さに共感して、2017年、Uターン転職する。WEB広告事業を担当し、デジタルマーケティングの戦略立案、導入、運用、分析等を行う。2022年執行役員に就任。2023年より地域創生部長を担当。WACA上級ウェブ解析士、Google広告認定資格、Googleアナリティクス認定資格(GAIQ)を保有。
佐々木 一弥
(株)リージェント 代表取締役社長
香川県さぬき市出身。大学卒業後、2007年に株式会社リクルートに入社。求人広告の企画営業職として、香川・愛媛にて、四国に根差した企業の採用活動の支援を中心に、新拠点や新サービスの立ち上げも経験。2010年に販促リサーチを行うベンチャー企業の創業メンバーとして参画。創業の苦労と挫折を経験。2012年、株式会社リージェントの創業メンバーとして入社。2019年より代表取締役社長に就任。子どもと焚き火をするのが至福の時間とのこと。