全国から注目される徳島・神山町へ、視察旅行に行ってきました!
こんにちは。リージョナルキャリア徳島の吉津です。蝉の声がいっそう賑やかになり、真夏の日差しがぎらぎらと照りつける暑い日が続いていますね。
そんな暑さの厳しい中でしたが、先日、社員全員で徳島県の神山町を訪問してきました。
『四国ならではの「働く」価値を創造する。』をミッションとしている私たちにとって、その地域ならではの魅力を発信し続けている神山町への視察は、とても有意義な時間となりました。
今回の視察旅行のきっかけになったのは「神山まるごと高専」の開校です。神山町といえば地方創生、特にサテライトオフィスの誘致などで有名になっていましたが、2023年4月に神山まるごと高専が開校するにあたり、注目度が急上昇しました。
そうした大きな動きもあり、徳島の中でも一番ホットで面白いスポットである神山町を実際にこの目で見に行こう!と、今回の企画に至りました。
神山町を感じる旅行スケジュール
悩んだ挙句、訪れることに決めたのは以下4つのスポットです。
①かま家・かまパン&ストア
②神山まるごと高専
③上一宮大粟神社
④認定NPO法人グリーンバレー
他にも神山町には魅力的なスポットが色々とありますが、視察できる時間と場所は限られています。今回は神山町の地方創生に取り組んでいるNPO法人グリーンバレーさんの講演を中心に、できる限り神山らしさを体験できるよう行程を組みました。
①かま家、かまパン&ストア
「かま家、かまパン&ストア」は、(株)フードハブ・プロジェクトが運営する食堂です。フードハブ・プロジェクトは、「地産地食」をテーマに、地域で育てたものを、その土地で食べることで地域の関係性を豊かにし、神山の農業と食文化を次の世代に繋いでいくことを目的とした会社です。神山まるごと高専の学生寮の食事もフードハブ・プロジェクトが提供しています。
ランチのメニューは1種類のみ(週替わり)。神山で採れた季節の食材を生かし、ヘルシーでおいしい定食を提供してくれます。食堂では「産食率(地域で育て、地域で食べている)」割合を定期的に測定しており、今回いただいたメニューは59%の産食率でした。地元のお野菜を使ったおかずは優しい味付けで、めちゃくちゃ美味しかったです!
また、同じ敷地内にかまパン&ストアが併設されており、美味しいパンも買うことができます。神山ならではの食材やクラフトビールなども購入できるので、お土産にもオススメです。
②神山まるごと高専
次に訪れたのは2023年4月に開校した神山まるごと高専。「モノをつくる力で、コトを起こす」をコンセプトに、テクノロジー×デザイン×起業家精神を学び、実践する高専です。
1期生は全国から44名の生徒が集まっており、校舎から徒歩5分の寮で生活しています。当日は平日だったので実際に授業も行われていました。
敷地内に立ち入ることはできないため、外からどんな校舎・寮なのかを眺めるだけでしたが、立地している場所や雰囲気を感じることができて良かったです。校舎への道を歩いている時に学生とすれ違いましたが、みんな活き活きとしていて、この環境で学べることをとても羨ましく感じました。
※神山まるごと高専の詳細は「いよいよ開校!テクノロジー×デザイン×起業家精神を学べる徳島の神山まるごと高専」で紹介しています。併せてご覧ください。
③上一宮大粟神社
上一宮大粟神社(かみいちのみやおおあわじんじゃ)は、神山に来た際にはぜひ立ち寄ってもらいたい神社です。なんといっても鳥居からの階段までの景観が素晴らしい。夏場だったので登り切ったときには汗が噴き出してきましたが、ちょうどいい運動にもなりました。
神社のある大粟山には、神山アーティスト・イン・レジデンスで神山町を訪れたアーティストによる作品も展示されています。今回は時間の都合で叶いませんでしたが、次回訪問した際にはアートウォークも楽しみたいと思います。
④認定NPO法人グリーンバレー
グリーンバレーは「神山町国際交流協会(1992年設立)」を前身とする認定NPO法人で、2004年に設立されました。「日本の田舎をステキに変える!」をミッションに徳島県神山町で事業を展開しています。
神山アーティスト・イン・レジデンス、サテライトオフィス支援事業、アドプト・ア・ハイウェイ神山(清掃活動をベースとしたまち美化プログラム)、神山町移住支援センター受託管理、コワーキングスペースや神山農村環境改善センターの運営など、神山が神山であるための様々な取り組みを推進しています。
今回は事前に申し込みを行い、「創造的過疎レクチャー〜神山のまちづくりや創造的過疎について〜」というテーマでグリーンバレー事務局長の作田様に講演いただきました。
神山町が取り組んできた神山アーティスト・イン・レジデンスの取り組みや、サテライトオフィス誘致、移住支援などについてお話を伺い、神山町の地方創生に対する考え方などについて学ぶ貴重な時間となりました。
講演後は、当社のメンバーからも積極的に質問をさせていただき、今後の事業に活かせる視点や視座を得ることができたと感じています。
視察を通じて感じたこと
私が今回の視察で重要だと感じたことは3つあります。
1つめは、発想の転換です。人口減少が続く中で、どの自治体も人口を増やそうと躍起になっています。ただ、現実的には過疎になっていく大きなトレンドは変えられません。そんな中で神山の人たちは、まちの「人」の構造を変えていけないかと考えていました。
人口は減っていきますが、今後の神山町を支えてくれる創造的で面白い人が増えていけば、町は魅力的に変わっていくはずです。過疎という大きなトレンドを受け入れながらも、創造的にまちの構成要素を変えていく挑戦でもあると私は理解しました。
2つめは、魅力の伝播です。神山に移住してきている人たちの多くは、まちやヒトの魅力に惹かれて移住してきます。移住を促進している自治体では移住関連の補助金などを提供していることが多いのですが、神山町は移住のタイミングで補助金を出していません。
そのため、お金などの待遇面でのメリットではなく、神山に触れあい、まちやヒトの魅力が伝播して最終的に移住を決断する方が多いとのことです。こうした魅力の伝播は、移住してきたヒトが本当に楽しんでいることが大事なんだろうなと感じました。
3つめは、受け入れ態勢です。移住者が増えていく中で、もともと住んでいた住民の方の理解は欠かせません。もちろん神山町でも地区によっては受け入れのスタンスが多少違うところもあるようですが、他のまちと比較すると受け入れの土壌はあるようです。
行政なども、新たな取り組みをする際には地域住民の方向けに見学バスツアーを開催して、実際に見て・知ってもらう機会を作り、相互理解を深める働きかけを続けています。住民や移住者だけでなく、行政も含めて相互理解を深めていく受け入れ態勢を作れるかが重要だと感じました。
神山町の取り組みは、本質的なことがたくさん詰まっていたと改めて感じます。今回学んだことを活かし、私たちも四国エリア全体を元気にしていけるよう、より一層日々の業務に励み、未来を創造していきたいと思います。