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経営者の世代交代に伴うコアポジション採用について

みなさん、こんにちは。株式会社リージェントの吉津です。今年はオリンピックでの日本人選手の活躍によって、大変盛り上がった夏でしたね。私は新型コロナウィルスの再拡大に伴い、夏休みは自宅にて読書やBBQなどをして家族と過ごしました。ゆったりと過ごす時間が出来て良かったですが、一方で旅行にそろそろ行きたいという気持ちが、どんどん強くなっている今日この頃です。

さて、今回は「経営者の世代交代に伴うコアポジション採用について」です。
私が転職エージェントとして活動している中で、次世代の経営者を支える人材を採用したいというご相談をいただくことが増えてきています。企業によってタイミングは様々ですが、2代目・3代目経営者へのバトンタッチをサポートするご相談となります。四国エリア特化の転職エージェントとして、これまで多くの採用のお手伝いをしてきましたが、今回は「世代交代に伴うコアポジション採用」に対する私の個人的な考えをお伝えしたいと思います。

今回のブログでお伝えしたい事としては、以下の3点です。
・世代交代に伴うコアポジション採用は、非公開求人になりやすい!
・企業、経営者、現場は必ず自分の目で確認して、貢献イメージを持てるかがポイント!
・コアポジションは大変なことも多いけれど、手触り感、やりがいに満ちている。だからこそ面白い!

※今回のブログにおける、「コアポジション」についてですが、ここでは次世代の経営者を支えるポジションという意味合いで使用しています。役職的には部門長クラス以上のポジションを想定していますが、組織バランスや年齢などによっては、課長級などのポジションも対象になるかと思います。また、基本的に50人~200人規模の中小企業を対象とし、世代交代をしようとしているオーナー企業となります。



コアポジション採用は非公開求人になりやすい

経営者の世代交代に伴い、採用のご依頼をいただく場合は、大きく2つのケースがあります。ひとつは現経営者から「次世代経営者へ経営を託したいのでサポートして欲しい」と依頼されるケース。もうひとつは、次世代経営者から「自らの経営を支えて欲しい」と依頼されるケースです。ともに経営層からのご依頼ということに変わりはありませんが、現経営者・次世代経営者の双方の意向を確認しながら、採用要件・ターゲット人材などの詳細を詰めていきます。ただ、課題に対する捉え方も現経営者・次世代経営者では違うことも多く、私もできるだけ客観的な立場でアドバイスを行いながら、調整を進めていきます。こうして、採用要件などが徐々に確定し、求人としてお預かりすることになります。

こうした求人は、ネット媒体掲載がNGなど、非公開求人になる傾向が強いです。
非公開求人にする理由は様々ですが、組織都合の観点(ネットも含めて求人公開することで、現メンバーへのマイナスメッセージになる可能性など)や、信頼性の観点(重要なポジションなので、厳選した人材のみを信頼できる人から紹介して欲しいという要望など)の理由が多いです。信頼性という観点では、採用実績のある転職エージェントに対して、事業や課題をしっかりと理解している前提で、優秀だと思う人材だったらいつでも相談して欲しいとおっしゃる経営者も多くいらっしゃいます。そのため、経営層の世代交代に伴うコアポジション採用は、採用実績のある事業に理解のある転職エージェントに情報が集まり、かつ、非公開求人となっているケースが多いです。

企業・経営者・現場は必ず自分の目で確認して、貢献イメージを持てるかがポイント!

このような非公開求人という形でお預かりしたコアポジションの求人ですが、検討に際しては必ず自分の目で確認をすることをオススメします。私は直接経営者・現場の責任者などにお会いして課題を理解していますが、あくまで私が捉えている視点でしかありません。企業としてのビジネスモデル、経営者のタイプ(現経営者・次世代経営者)、現場の課題などを、私なりに解釈してお伝えしています。もちろん数字のようなファクトもありますが、経営者の人物タイプ・ビジョン・社風などは主観的な要素が大きいと思っています。そのため、できる限り自分の目で確認していただくようにしています。もちろん、現在はコロナ禍の影響もあり、WEB面接などが主流となっていますが、カルチャーフィットの確認も含めて、何かしらの形で直接お会いして判断いただきたいと思います。

その他、注意していただきたいのは、次世代経営者を支えるポジションとして入社される場合、現経営者の影響はかなり大きいことが多い、という点です(特に親子間でのバトンタッチであればあるほど、様々な心理的な要素も絡みますので影響が大きいです)。また、現経営者に加えて、事業成長を牽引してこられた幹部社員もいらっしゃいますので、現経営者や既存幹部社員とのフィット感なども確認いただくことが重要です。

また、面談などを通じて一番大切にしていただきたいのは、「貢献イメージ」が持てるか、という点です。次世代経営者は魅力的な方も多く、ビジョンや方向性を聞いているなかで「共感」することが多いと思います。その共感は活躍に向けた大きなエンジンになると思いますが、「貢献」する上で大切なことは、「会社の課題が何か」「自分は何ができるか」を冷静に見極めることです。

私の前職である株式会社リクルートでは、WILL、CAN、MUSTという言葉を日常の会議やミッション設定などで使ってきました(※WILLはあなたの想いややりたいこと、CANはあなたのできること、MUSTはあなたのやるべきこと)。その言葉を使うならば、WILLはモチベーションのベースとなるものだと思っていますが、コアポジション採用ではCANとMUSTの重なりがどれだけあるかを冷静に見た方が良いと考えています。CANとMUSTの重なりが少ないのであれば、貢献するまでに多くの時間や労力を要するので、やり続ける為にWILLが試されます。

長々と書いてきましたが、コアポジションでの入社を検討する上では、自分自身の感性を軸に、直接会って判断することが大切だと考えています。また、次世代経営者の人間性やビジョンなどへの共感も大事ですが、冷静に自分自身のCANと企業が求めるMUSTの重なりを確認することが何より重要となります。

手触り感・やりがいに満ちた仕事。だからこそ面白い!

経営者の世代交代に伴うコアポジション採用についてお話してきましたが、私が一番お伝えしたいことは「コアポジションでのキャリアは、面白い!」ということです。大企業と中小企業では、組織制度やビジネスモデル、経営方針や人材育成などの違いも多々あり、戸惑うことも多いかもしれません。また、経営者・幹部社員との考え方・方針の違いなども含めて、コアポジションで貢献していくにあたっては、大変な事の方が多いかもしれません。

しかし、その分本質的な事にチャレンジする機会に溢れています。その違いを面白いと思える方、会社の看板ではなく自分の力で挑戦したい、という方にとっては「手触り感・やりがい」を感じられる、とても良い環境だと思っています。また、個人的には、面接・面談を通じて、現・次世代経営者の考えをじっくりと聴き、擦り合わせをしていくことは貴重な経験になると思います。入社する、しないに関わらず、自分の価値観と向き合う機会はキャリアにとってプラスになると考えています。

CANとMUSTの重なりは、貢献(入社後活躍)の前提条件であり、一方、次世代経営者とのWILLの重なりは、貢献(入社後活躍)の確率・スピードを高める要素だと考えています。じっくりと検討して、腹を括ったチャレンジと自分自身が考えられるのであれば、中小企業でのコアポジションでのキャリアは、大きな成長チャンスになり得ます。また、ビジョンある次世代経営者とともに「夢」を見ることができるチャンスは、キャリアの中でもそれほど多くないのでは、と個人的には感じています。また、主観的ですが、経営者の人間性やビジョンが魅力的であればあるほど、私も積極的に採用のお手伝いをしたいと力が入ります! 

私はそんな一期一会の出会いを創造していけるよう、日々新しい出会いを求めて転職コンサルティングを行っています。新しい分野に挑戦できること、組織を動かすこと、魅力的な仲間と働けることなど、さまざまな「面白さ」が四国エリアにはあります。また、世代交代に伴うコアポジション採用にあたっては、魅力的な次世代経営者も多くいらっしゃいます。少しでも興味をお持ちいただけました是非一度ご相談ください。「都市圏で培った経験を活かしたい」「四国でも面白い仕事をしたい」という想いをもとに、四国の企業・産業・地域をともに元気にしていきましょう!

筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

吉津 雅之Yoshizu Masayuki

広島県福山市出身。小・中・高とずっとサッカーをやってきた体育会系の一面も。東京学芸大学卒業後、株式会社リクルートへ新卒入社。入社以来、住宅領域の広告事業に従事。2013 年より営業グループマネジャーを歴任。2018年に8年半の単身赴任生活に区切りを付け、家族が暮らす四国へIターンし、株式会社リージェントへ入社。マネジメント経験を活かして、経営者や責任者の課題解決に寄り添うスタンスにて活動。また、四国へのU・Iターン転職を検討する方の不安や課題を理解し、「四国ならではの働く価値」を一緒に考えるスタンスで取り組んでいる。現在は徳島・香川エリアを中心に活動中。