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希望勤務地のフィルタを外して情報収集してみませんか?

こんにちは。リージェントの四ノ宮です。

弊社は四国4県へのUIターン転職に特化し、香川・愛媛・徳島・高知それぞれの県で転職支援サービスを展開していますが、今回のブログでは敢えて「希望勤務地に捉われすぎないメリット」について考えていきたいと思います。

UIターン転職の場合は「家族事情やライフスタイルの変化」が転職のきっかけとなるケースが多く、キャリアよりも暮らす場所への意識が強くなりがちです。

「希望エリアからの通勤圏内」で転職先を検討することが前提になるので、例えば徳島を希望する方が香川や高知、愛媛までエリアを広げて求人を探し始めることは稀です。

しかし、四国は地域によって産業の特性や募集されている求人の内容、求人の数に大きな差があります。希望勤務地ありきの転職は、その人のキャリアの可能性を狭めるリスクもあるのです。

勤務地を優先して未経験の仕事を選んだり、安易に年収を下げてしまうと、それがミスマッチやストレスとなって更なる転職につながるケースもあります。エリアのフィルタを外し、冷静にキャリアそのものの志向や希望を持つことも大切だと感じています。

少し前のことですが、こう考えるきっかけとなった事例がありました。

当時35歳のIさんは2人のお子さんの子育てを考えて奥さまの出身地である愛媛県松山市での転職を考えるようになり、弊社にご相談くださいました。

Iさんは新卒入社したメーカーでハード・ソフトの開発に携わってきた経験があり、直近はデータサイエンティスト、MLエンジニアとして IoT・AI に関連するシステム開発に従事していました。

今後も IoT・AI やデータサイエンスの知識、技術を活かしていきたいと考えており、さらに本音を言えば当時の年収をあまり下げたくないという意向も持っていました。

もちろん愛媛にも経験が活かせる企業はありましたが、経験をそのまま活かせるというわけではなく、また、年収も希望通りとはいきませんでした。地方は都市部ほど求人が多くないため、常に希望通りの求人が見つかるわけではありません。

そこで当初は考えていなかった香川の求人を検討することに。すると、香川には今までの経験がそのまま活かせるポジションがあり、仕事内容とキャリアの志向性、年収の観点からベストな転職先が見つかったのです。

奥さまとの話し合いでは、各自治体の子育てサポートなども調べながら慎重に比較検討を進め、最終的には香川での転職を選択されました。



この事例には私も気づかされるところがあり、ご相談いただいた方の希望に沿うことを前提としつつ、可能性や選択肢を広げてあげることも大切な視点ではないかと感じたのです。

Iさんも当初は「愛媛県」という意識で転職に臨まれていましたが、改めて自身のキャリアや家族とどこでどう暮らすのかという希望を整理することで、柔軟に検討することができるようになったとおっしゃっていました。

人生100年時代と言われる昨今、キャリアを考える期間はますます長くなっていくでしょう。UIターン転職した後のキャリアをどのようにステップアップしていくかも大切な視点です。

今まで重ねてきたキャリアや価値観を大切に、最初から自らの可能性を限定することなく、さまざまなチャンスを柔軟に検討して自分や家族にとってベストな道を見つけていただければと思います。


筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

四ノ宮 こころShinomiya Kokoro

香川県出身。大学卒業後、ITベンダーを経て株式会社リクルートへ入社。新卒採用における組織課題抽出、採用計画策定、企業広報及び選考プロセス設計から入社後育成までのコンサルティングに携わる。10年間のキャリアを経て関西への転居を機に、キャリアコンサルタントとして自身の専門性を高めたいと考え、地元四国の貢献に繋がれば、との想いから株式会社リージェントへ入社。現在は同社大阪オフィスにて勤務。