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四国へUターン転職したことによって変化した主体性

ビジネスの現場では「主体性」が大切だと言われますが、担当する業務範囲が広くなることが多い地方ではさらに大切な力になります。そして、そうした主体的な思考や行動は、UIターン転職した企業で活躍する上でも欠かせません。
「四国で働くからこそ、主体的に動き、自己成長できる。」そう話すAさんの転職事例から、入社後活躍に重要な「主体性」について考えてみたいと思います。

Uターン転職のきっかけ
Aさんは大学を卒業後、建設コンサルタント会社に勤務。トンネルや橋梁、道路といった土木構造物の設計前に実施する地質調査業務や、維持管理のために行う防災点検業務、ボーリング調査などを行い、社内でも順調にキャリアを重ねていました。
いずれは地元の香川に帰りたいと考えていた中、実家の母親が定年を迎え、同時に自身にも出向の辞令が出ます。出向を受ければ、数年は辞めることができない。両親や祖父母がまだ元気なうちに、地元に戻った方がいいのではと思うようになり、奥さまの後押しもあって転職を考え始めました。

転職活動と入社の意思決定
転職活動では同業界の建設コンサルタント会社と公共土木工事会社の2社で迷い、最終的に後者の公共土木工事会社であるS社を選択します。Aさんにとって、その決断には大きな不安もありました。職種も異なり、前職では調査段階のみの業務でしたがS社では設計も施工にも関わることになります。
それでも社長の熱意、自身が転職で求めていた挑戦、そして香川に腰を据えた家族との生活を叶える場所として、入社を決意します。

入社後の活躍
入社後、Aさんは不安に感じていた「業務範囲が広くなること」に対して、逆に「土木事業の全体が見えるようになった」と、マイナスをプラスに転換して面白さを見出します。
加えて、建設現場でのドローン活用、3次元モデル導入によるBIM/CIMの実践など、数年来の課題となっていた同社のICT化の仕組みづくりまで手がけました。
まだ何も形になっていなかったゼロの状況から、Aさんはたった半年で仕組みを作りあげ、補助金や助成金申請の資料作成を行い、社内への運用の浸透を発信するに至ったのです。

経営者からの評価
入社からたった3年で全く未経験から同社のICT戦略を起動させたAさん。経営者はAさんに対し、そのスピード感と「ないものを作り上げる」力を高く評価しています。「経験の有無に関係なく、様々な分野から情報を集め、自社で使える形に落とし込める人材は、そう多くはいません。いい意味で遠慮しないし、周囲に対して自分の考えをきちんと伝えることができる。とても貴重な人材です。」と評価します。
一方で、Aさんは自らのことを「周囲に発信することは苦手なほう」だと言います。「苦手ですが、周囲にわかってもらえなければICT化は浸透しません。30年先を見据えた時、自分も会社も変わっていかないといけないと思うんです。」と、受け身ではなく自分自身の考えをもとに問題に取り組み、率先して動くことを意識してきたからこそ、入社後の活躍に繋がったのだと思われます。

四国で働くからこそ、主体的に動き、自己成長できる
全国展開する大手企業から香川県本社の中小企業にUターン転職をしたAさん。転職によって、Aさんは何より経営者との距離の近さを実感します。経営層の考えに触れる機会が多くなることで、会社を発展させるため、そして自己成長のために自分が何をすべきか、自然と考えるようになったのです。それが、Aさんの“未来”に向けた「主体的」な思考と行動に繋がりました。
そして、業務範囲が広がって業務の全体像が見えることで、その中での課題やゴールに向けた目的意識を強く持つことができるようになったのです。

「経営層との距離が近くなり、会社のビジョンを理解しやすくなる」「業務範囲が広がることで、業務の全体像と目的を把握できるようになる」というのは、Aさんが主体性を持つためにとても大きな要因になったのではないでしょうか。そして、Aさんはそうした環境をプラスに捉え、自ら考えて行動することを徹底したことで、Uターン先の企業でも活躍されています。



こうした「経営層との距離が近くなること」「業務範囲が広がること」は四国にUIターンされた方々が感じられている特徴の一つだと思います。人によって価値観は違いますので良し悪しはあると思いますが、そうした環境で自己実現したい方にとって、四国へのUIターンでそのような環境を選択することは大きな価値があるように感じます。「小回りの利く組織で働きたい」「裁量を持って、これまでの経験を活かしていきたい」といった価値観を大切に転職先を希望したいという方は是非ご相談ください。主体性を持って働き、自己成長できる環境を一緒に探していきたいと思います。


筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

四ノ宮 こころShinomiya Kokoro

香川県出身。大学卒業後、ITベンダーを経て株式会社リクルートへ入社。新卒採用における組織課題抽出、採用計画策定、企業広報及び選考プロセス設計から入社後育成までのコンサルティングに携わる。10年間のキャリアを経て関西への転居を機に、キャリアコンサルタントとして自身の専門性を高めたいと考え、地元四国の貢献に繋がれば、との想いから株式会社リージェントへ入社。現在は同社大阪オフィスにて勤務。