「転職と年齢の関係」後悔しないためのUターン転職・Iターン転職の進め方とポイント
最近ではコロナによる生活意識の変化もあり、幅広い年代でUIターン転職を検討する方が増えています。日々の転職相談の中でも、「いつUIターン転職するのがいいか」「年齢によって転職のしやすさは変わるのか」といった相談を受けることが増えてきたように感じています。
そこで今回は「転職と年齢の関係」についてお伝えしていきたいと思います。弊社における四国へのUIターン転職者は、30・40代を中心に20代〜50代まで幅広い年齢層となっていますので、年代別にUIターン転職のポイントを探っていきたいと思います。
20代でのUIターン転職のポイント
一般的には20代のキャリアは「まだまだこれから」というタイミング。企業側が面接で重視するポイントも、職務実績よりも仕事への志向や価値観とのマッチングが重視されます。そのため、未経験の業界や職種に挑戦できる可能性も十分にあります。
まだキャリアの浅い20代でのUIターン転職には、地元や地方に腰を据えた後、着実にキャリアを築ける時間的余裕があることがメリットの一つではないでしょうか。
進め方のポイントは、キャリアが浅いからこそ「なぜ転職するのか」を突き詰めて考えることです。地方では転職は都会ほど仕事の選択肢も広くありません。だからこそ、30代や40代のキャリアを見据えて考えることが大切です。
一例として、実際に転職された方のケースをご紹介します。結婚を機に地元へのUターン転職を考えられた24歳のAさんは、関西で個人向けの不動産営業に従事していました。
転職先を考えるにあたって「営業として30代も40代も長く活躍していくためには自分にどんな経験が必要か」を掘り下げて考え、「法人を対象とした課題解決力を身につけること」「多様な業界に関わることで視野を広げること」の2点を軸に企業を探されました。
結果として商社に転職し、法人営業として未経験からのスタートを切ることを決意。現在も先々のキャリアプランを見据えて、第一線で活躍されています。
30代のUIターン転職のポイント
仕事において30代はメンバー育成やプロジェクト牽引など責任あるポジションを任される重要な年代です。
また、上記のグラフも30代は「30〜34歳」「35歳〜39歳」に分けていますが、同じ30代でも年齢が上がるにつれて企業から求められる経験・スキルが変わります。そのため、自身の現在のポジションや今後のキャリアを客観的に分析し、30代のどのタイミングで転職するかを見極めることも重要なポイントになります。
もし、結婚・子育てがUIターン転職の理由となる場合、転職を検討する時期がポイントになります。特にお子さまの幼稚園や小中学校への進学がある際は、入学時期から逆算して余裕を持った転職活動を検討することをお勧めします。弊社では進学時期の2〜3年前に相談をいただくケースもあります。
30代は家庭を持つ方も多いかと思いますが、“家族”という転職しづらい条件を抱えつつも転職をするのは「仕事の悩み」があるからだと感じます。独身や既婚に関わらず、「仕事で何を叶えたいか」を見失わないことが大切です。
36歳のBさんも、そんな家族の悩みを抱えながら転職された方の一人です。
Bさんはメーカーで生産技術に従事し、新工場の立上げや海外プロジェクト参画など挑戦的な仕事にやりがいを感じていましたが、異動によって保守的な業務が中心となり、成長感が感じられなくなったことで転職を考えられるようになりました。
しかし、持ち家や子どもの進学、必要最低年収など様々な条件との折り合いがつかず転職活動は難航。それでも「仕事で叶えたいこと」を意識して粘り強く企業を検討し、2年後にようやく転職先が決定。
機械の知見を活かして生産技術から製品開発へと転身し、意欲的に学び実践を積める現在の仕事に満足していらっしゃいます。
40代・50代のUIターン転職のポイント
40代以上の転職理由には、親の介護や早期退職、キャリアの集大成として地元の会社で挑戦したいという内容が見られます。
キャリアとしては、役職や役職相当の責任を担い、ゼネラリスト、もしくはスペシャリストとして自分自身の強みが定まっている世代だと思います。地方の中小企業には後継者問題や技術の継承など、40代以上の経験ある方を求める求人も増えてきています。
40代・50代のUIターン転職では、現在の役職(ポジション)や年収など、これまで培ってきた実績において、転職時に何を優先するのかという優先順位付けがポイントになります。転職時の役職や年収だけに拘るのではなく、その先にある企業側からの「期待」を見極めることも重要です。
47歳のDさんは新卒で製薬会社に入社してから一貫して新規商品開発に従事されていました。
50代で迎える役職定年に対して自身のキャリアを考える中、転職するのであれば長男として「地元に近い場所に帰ること」、そして「これまでの新商品開発の経験を活かして地元企業の事業課題に直接貢献できること」を転職の優先事項に据えて転職活動を開始されました。
都市部も含めて様々な企業のオファーを受けつつも、新商品開発力と販売力に課題を抱えていた地場の化粧品メーカーへの転職を決意。選考では社長をはじめ経営陣と対話し、事業課題の解決に必要な裁量権をどこまで与えてもらうか、といった目線合わせをして意思決定に至りました。
現在は新商品開発の責任者として企業の成長に貢献されています。
最後に
ついに総人口が減少に転じ、人口減少問題が大きく取り沙汰されています。地方の企業でも世代交代や後継者不足、技術継承など課題を挙げればきりがありません。しかしUIターン転職においては、このような課題こそ逆に力を発揮して活躍できる「チャンス」でもあるはずです。
年齢や世代ごとの強みを生かし、四国ならではの働き方を一緒に考えませんか?
どの年代、どの年齢であっても、四国外で豊富な経験を積んできたUIターン者の方々の力が、地域課題の解決に繋がっていくのではないかと、私は感じています。