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UIターン転職は、「個のパーパス」を考えることから始める。

弊社が所属するリージョナルスタイルグループの江口代表が「幸せのUターン転職(幻冬舎メディアコンサルティング)」という本を出版しました。地域は変われど、同じ志をもち、地方へのUIターン転職支援を志している仲間の出版であり、とても楽しみに読み進めました。Uターン転職市場で、あまり公には語られてこなかった事実がとても赤裸々に紹介されていて、仲間だからという贔屓目なしに、地方で働くことを考える際にはとても参考になる一冊だと思います。

読み進める中で、個人的に強く共感したことが、「自分の生き方、あり方とは何かを突き詰める」という一節でした。最近では、企業経営のポイントとして、パーパス(存在意義)が重要視されています。ただ、これは企業だけにあてはまるものではなく、個人にとってもパーパスを明確にしていくことはとても重要なことです。予測不可能なVUCA時代に、自分の基準をもたずに、何かに価値基準をあわせにいったり、求めたりするのではなく、
まずは自分がどう在りたいのか。この問いに向き合い続けることが必要とされていることをひしひしと感じます。

また特に、UIターン転職を検討するとなると、その重要性はさらに増すように思います。
なぜならば、「暮らす場所」と「仕事」を両方変えていくということは、単純に仕事を選択するということ以上に、生活スタイル、家族、関わる人、地域社会など、自分だけではなく、その周りの人たちにも大きな影響をもたらすことになるからです。そういう意味では、「個のパーパス」を考えることなしに決断できることではないのです。

とはいえ、自分が何のために生きているのかという問いに答えていくことは簡単なことではなく、ただ考えれば見つかる、というものでもないような気がします。



キャリアコンサルティングの場面では、よく過去の行動に焦点を当てて会話をしていきます。過去の人生の中に潜んでいる自分の価値観、喜怒哀楽を強く感じたシーンなど、意外なほど、自分のことでありながら、問われてみなければ過去のことを鮮明に思い出すことはなかったりします。そういう問いかけを続けていると、あまり意識をしていなかったけれど、自分はこういうことを大事に思っていたという、気がつけていなかった価値観を認識するきっかけになるシーンがよくあります。

最近、リージェントでも社員全員に個人のパーパスを知る活動の一環として、モチベーショングラフというグラフを各個人に作成をしてもらいました。これまでの人生の出来事を挙げながらモチベーションの曲線を描くという単純なものですが、実際に書いてみると、自分自身に起きた過去の出来事の捉え方に共通する一定の価値観があることや、自身が大事にしたいと思っていることに改めて気がつくことがあります。これを社内で発表しあうと、共に働く仲間の意外な一面やその人の価値観がより深く理解できるきっかけにもなります。

パーパスに向き合うために、これさえやればいいというものはありませんが、モチベーショングラフは自分で自己理解を深めていける有効な手段だと思いますし、それを家族とも共有し、今後の在り方を話し合うためのツールとして活用するのも有効だと思います。UIターン転職を考えていく活動の最初には、自身のパーパスを明らかにすることをお勧めします。

その先に、企業のパーパスが分からなければUIターン転職の検討は進まないと思いますので、我々は、四国の企業のパーパスを明らかにしていく活動も積極的に取り組んでまいります!コーポレートサイトのコラム欄に我々が発見した企業のパーパスを発信していきたいと思いますので、ぜひこちらもあわせてご参考いただければ幸いです。
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筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

佐々木 一弥Sasaki Kazuya

香川県さぬき市出身。大学卒業後、2007年に株式会社リクルートに入社。求人広告の企画営業職として、香川・愛媛にて、四国に根差した企業の採用活動の支援を中心に、新拠点や新サービスの立ち上げも経験。2010年に販促リサーチを行うベンチャー企業の創業メンバーとして参画。創業の苦労と挫折を経験。2012年、株式会社リージェントの創業メンバーとして入社。2019年より代表取締役に就任。子どもと焚き火をするのが至福の時間とのこと。