転職活動ハイに陥らないために
こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの森です。
最近、転職希望者の方々と面談する中で、同じような悩みを持つ方と立て続けにお会いする機会があり、「少し気を付けた方がいいな・・・」と感じることがありました。
これから転職活動を進められる方の参考にしていただけるよう、先日面談させていただいたM様の事例をもとに転職における注意点をお話ししたいと思います。
M様の転職理由と悩み
M様は弊社にご相談いただく前にいくつかの転職エージェントに登録されていました。既に2社の選考が進んでいたのですが、それでもなお弊社への相談を希望されるということは、何かしら不安を感じているのではないか、という予感がありました。
転職の理由を尋ねると、今勤めている会社は体力を使う仕事が多く、先日体調を崩してしまったとのこと。家族のことも考えると今の仕事を長く続けるのは難しいと感じ、転職活動を始めたそうです。
2社の選考が進んでいるにも関わらず、なぜ相談いただいたのかを尋ねると、2社とも魅力は感じているが、どこか不安があり、新たな視点からのアドバイスが欲しいとのことでした。
詳しくお聞きすると、1社は大手企業で年収はアップするが、業界や働き方が現職と同等かさらに忙しい企業であり、もう1社は全く未経験の分野への挑戦となる企業でした。
「経験を活かしつつ、働き方を改善したい」という思いで転職活動を始めたM様でしたが、なぜか働き方が変わらない企業や、経験を活かせない未経験分野に挑戦する企業の選考が進んでいたのです。
「転職活動ハイ」とそのリスク
冷静に考えれば、これら2社に転職できたとしても本来の転職目的が達成されることはないとわかるはずなのですが、M様は転職活動を進める中で少し浮足立っているようでした。
私はこのような状態を「転職活動ハイ」と呼んでいます。
転職サイトに登録すると、多くの求人情報が目に入ります。また、転職エージェントに相談すると、たくさんの求人票が届きます。新天地を探そうと思い立ち、情報収集をしている中でこれらの情報を目にすると、一種のワクワク感を覚えるものです。
そのような状況下で、「まずは数多く応募して可能性を探りましょう」と急かされると、とりあえず応募してしまう、といったことが起こりがちです。M様の場合も、新卒時から憧れていた大手企業の求人や、新たなチャレンジができる求人だったこともあり、少し舞い上がってしまったのかもしれません。
本来の目的に立ち返る大切さ
2社の選考を進めつつ、M様は本当にこれで良いのかと不安を感じていました。
まずは年収がアップする同業界の企業について。転職で重視したいこととして挙げていた「働き方」について確認したか尋ねたところ、現場を見ておらず、働き方も詳しく聞いていないとのことでした。いくら憧れの企業で年収が上がるとしても、現職よりも厳しい働き方になる可能性があるため、必ず確認するようアドバイスしました。
もう1社についても、未経験分野であるにもかかわらず、人事担当者や社長から「ぜひ来て欲しい!」という熱いラブコールを受け、「自分がこれほど必要とされている」という思いが湧いてきたとのことでした。しかし、本当に未経験分野に飛び込む覚悟があるのか、また今回の転職で実現したいことが達成できるのかを、改めて話し合いました。
M様のように、「こんな企業にも応募できる」「こんなにも自分が必要とされている」と感じると、一種の「転職活動ハイ」の状態となり、本来の転職目的を見失ってしまうことがあります。
そんな時は、冷静に何のために転職をするのか、必ず「本来の目的」に立ち返るようにしてください。
最終的にM様は、進行していた2社を辞退し、これまでの経験を活かしながらも体力面の不安を払拭できる企業に転職されました。大手企業と比べれば年収は下がるものの、業界が異なっても経験を活かせる企業であり、今後のキャリアアップも見通せるポジションでの決定となりました。
最近は転職支援に関する様々なサービスが増えてきたこともあり、M様のような方にお会いする機会が増えたと感じています。中には、自分に合っているかどうかわからない企業の選考が進み、志望動機をうまく答えられず不合格となり、自信を失って転職活動を諦める方もいらっしゃいます。
そうならないためにも、迷った時には「今回の転職で実現したいことは何か」「今進めている求人でそれが叶うのか」という本来の目的に立ち返りながら転職活動を進めることをお勧めします。
M様のように悩む際は是非ご相談ください。転職の目的をしっかりとお聞きした上で、目的を達成できる最適な方法を一緒に考えていきたいと思います。