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自分の本音に耳を傾けることの大切さ

私は「本音」という言葉が好きです。進路、就職、転職など、人生の大きな決断をする時には心の中にある「本当の声」を大事に意思決定をしてきました。

今振り返ると「本音」に従って考えたことや判断したことは自分にとって違和感のない、幸福感のあることだったなと感じています。反対に、本音が分からず・気付けず・無視した選択は、どこか責任感のない空虚な感覚がありました。

本当の音と書いて「本音」。皆さんは「自分の本当の音」に耳を傾けていますでしょうか。

私はキャリアコンサルタントとして、日々、転職を希望される方々とお話しをさせていただいておりますが、「誰かに提示された答えを求めない、自分で正解を探すこと」の大切さを伝えられるように心掛けています。キャリアには普遍的な「これが正解」「こうすべきだ」というものはありません。

しかしながら、家族・転職エージェント・現職の上司や同僚などから「〜すべきではないか、〜した方が良いのではないか」と指摘され、影響を受けて決断している方が多くいらっしゃいます。それ自体が悪いということではなく、その決断に自分自身が納得していて、心の底から後悔のない決断が出来ているのかを考えていただきたいと思っています。

以前、東京から四国へUターンを希望されるAさんという方の転職を支援させていただいたのですが、その方も「情報が多すぎて何を基準に判断したらいいかわからなくなった」と悩んでいらっしゃいました。

もともとAさんは「親の介護のために地元に戻りたい」「地元でこれまで培った経験を活かしたい」という想いで転職を検討され、奥さまと共に四国への移住を決意されていました。

新卒入社した企業で長年にわたり着実にキャリアを積まれていた方だったので、培った経験やスキルは申し分ないものでした。だからこそ選択肢も多く、「業界は異なるが今と同待遇で新たな挑戦ができる仕事がある」「年収は可能な限り維持した方がいいのではないか」「東京で別の企業を探した方が良い求人が見つかるのでは」と様々な意見を聞く中で、自分自身の気持ちを見失っていました。

「転職によって叶えたいこと」ではなく「転職すること自体」がゴールになってしまうと、こうした迷いに陥るケースが多いように思います。転職を検討したときは「叶えたいこと」をしっかり意識できていても、活動を続ける中で気が付かないうちに「転職すること」が目的になってしまうことは良くあります。

そんな時は「自分が何をしたかったのか」「自分が本当にありたい姿はなんなのか」を改めて考えることで、こうした悩みから解放され、納得のいく決断ができるようになると思います。

Aさんも最終的には「実家からの距離感」と「同業界でこれまでの経験が活かせるか」を一番大切にして転職先を選択されました。

年収は下がったものの、入社初日に私宛に「入社前に期待いただいたキャリアアップのスケジュールを実現するために、精一杯努力をしていきたい」と決意のこもった熱いメールをいただき、それが強く印象に残っています。Aさんの使う言葉には何とも言えない幸福感と自信が漂っていました。



一方で、Aさんのように上手くいかないケースも耳にすることがあります。

「やりがい」や「転勤のない職場」を求めて転職を探していたにも関わらず、様々な情報に触れる中でいつのまにか「待遇」を意識するようになってしまい、最終的に「転勤があるが待遇がいい求人」を選択して後悔をする。そんな方からの相談を受けることも良くあります。

「やりがいが見出せず、後悔している」といった声を聞くたびに、改めて「なぜ転職したいと思ったのかを振り返ることの大切さ」を痛感します。

私自身も転職活動をしていた時に、どういったキャリアを歩むことが正解なのか?もっと良い条件の仕事はないのか?そんな悩みを抱えることがありました。それでも、最終的には「自分の本心はどう思っているか?何が本音なのか?」を優先することで、後悔のない選択をすることができたように思います。

私は今後とも転職を考えている皆さまが、自分自身の心の声に従って納得のいく決断をしてもらえるよう、精一杯サポートさせていただきます。

「本当の音」を聴きながら、最適なキャリア選択を一緒に考えていきましょう。少しでもキャリアに悩みのある方はいつでもお気軽にご相談ください。


筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

川田 基弘Kawata Motohiro

茨城県牛久市出身。関東の大学在学中に不動産業界、通信業界、社会人訪問インターンなど、数々の業界での就業経験を経て、20歳の時に「1人ひとりの働く価値を創造し、個人が活き活きと働ける社会を実現したい」とキャリアコンサルタントを志す。大学卒業後、日系の組織開発コンサルティング会社に入社。北陸エリアのコンサルティング営業として、大企業から中小企業まで、幅広い企業の事業発展に貢献。子育てをきっかけに妻の地元である四国にIターンを決断。そこで株式会社リージェントの”四国ならではの「働く」価値を創造する”というミッションに深く共感し、キャリアコンサルタントとして入社。現在は愛媛県・香川県を中心に担当し、四国へのUIターンを希望される方への転職コンサルティングに従事。