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日帰りで気軽に行ける芸術の島「直島」

梅雨も明けて子どもたちは夏休みに入り、地域で催されるお祭りや、海や川でのレジャーなど、家族で楽しめるイベントが多いシーズンになりましたね。

そんな時期、私が毎年行きたくなるのが瀬戸内海に浮かぶ「直島」です。
と言いつつも、長年高松に住んでいながら、実は今まで一度も訪れたことがありませんでした。

芸術祭が開催されるたびに機会を伺っていたのですが、なかなか足を運べずチャンスを逃し続けていました。瀬戸内国際芸術祭の第1回開催が2010年でしたから、気になり始めて10年以上経っています。

いろんな情報誌にテレビ番組、インターネットでも目にする機会は多く、「こんな感じかな」と行った気にすらなってきていたところでした。

念願の直島。草間彌生さんのかぼちゃを間近で眺めたいなー、美術館をゆっくりまわりたいなー、海辺でのんびりしたいなーと、あれこれ思っていたことを日帰りで叶えてきました。



ちょうど梅雨明けが重なって見事な夏空!

朝、高松築港のフェリー乗り場から9:20発の高速艇で出発し、30分で直島の宮浦港に到着します。船を降りると目の前に数件のレンタサイクル店があり、そこで電動自転車を借りてみました。

お店の方が自転車の説明と一緒に島内のことも少し教えてくださいました。「最初はどこに行くの?」「この道は坂が急で、大人も子どもも転倒する人が多いから、こっちの道にした方が無難」「まぁ、この辺りはどこに行くのも自転車なら10分~15分だから」と、地図を見ながら教えてもらったことを参考に、まずは美術館へ向かいました。



地中美術館は予約制のため、事前に11:00の予約をしていました。

少し時間に余裕があったので、自転車を停めて近くの李禹煥美術館の方へ歩いてみました。坂を下りて階段を進むと、空と海を背景にオブジェが見えてきます。



美術館の設計は安藤忠雄さん。そういえば地中美術館の設計も安藤忠雄さん。建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞するなど、世界的にも評価される安藤さんが手掛けた建築物が直島にはいくつもあります。

いい時間になったので自転車でチケットセンターまで戻り、地中美術館へと向かいます。地中美術館に向かう道のりには「地中の庭」があり、その後のクロード・モネの作品鑑賞へとつながります。ちょうど睡蓮が咲いていました。



「瀬戸内の美しい景観を損なわないように、地中に美術館を作る」。こうした豊かな自然を見ていると、そのような発想は当然の成り行きだったのかもしれないと思えてきます。私には到底思いつきませんが・・・。

大きく地下を掘り進め、光を取り込みながら美術館を建築し、そこに在った自然を可能な限りもとの姿に戻していく。地中にある美術館は想像もしていなかったカタチをしていました。



美味しいお昼ご飯をいただいて、午後は「家プロジェクト」です。

共通チケットを購入して、古い家屋を改修して作品化された5か所のアートを巡ります。所要時間は2時間程度の予定でしたが、暑すぎて途中でかき氷休憩をはさんだので、少し時間がかかってしまいました。



最後は「ANDO MUSEUM」に向かいました。築100年の木造二階建ての古民家をご自身の建築ミュージアムにされています。

「既存の環境に対し、いかに最小限の表現で切り込み、最大限のふくらみを持つ空間をつくれるか」と安藤忠雄さんの文章が掲示されていました。建築を知らずに口にするのも憚られますが、コンクリートなのに暖かく感じられ、光がやわらかく、足を止めて立ち尽くしてしまう不思議な空間を体験しました。

2025年、来年春には直島で10番目の安藤建築【直島新美術館】の開館が予定されているそうです。今からとても楽しみですね。



高松で暮らしていると、ついつい車移動ばかりしてしまいがちですが、たまには大人も自分を解放するような遊びの日を作って、海辺の道を自転車で走る爽快感を体験するのもいいなと感じました。



直島には宿泊施設も多いので、宿泊してもっとのんびりとした非日常を楽しむのもおススメです。夕方18:00にフェリーで高松港へ戻ってくるまでの約9時間、しっかり遊びました!



高松にフェリーが近づくと、2025年2月24日に開館する香川県立アリーナが見えてきました。少しずつ変わる高松も楽しみが増えそうな予感でいっぱいです。

自宅でゆっくり過ごす時間も必要ですが、身近なところでも出掛けてみると知らなかったことや新しい感覚に出会えるものですね。テレビやインターネットで知ったつもりになっていてはいけないなと考えを改めました。

海に囲まれた四国は、いつでも気軽に豊かな島々を体験しに行くことができます。まだまだ魅力的な島がたくさんあるので、また機会を見つけて訪れてみたいと思います。