「UIターンして子育てストレスが軽減した」と感じる理由
こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの小野です。
リージェントではUIターン転職のノウハウや暮らしの情報をブログとして日々発信していますが、時折「こんな情報もあったら助かります」「私はこんな経験をしました」といった感想を送ってくださる方もいて、とても嬉しく感じています。
そうした感想のひとつに「都市部と地方の子育て」についてメッセージを送っていただいた方がいますので、少しその内容をご紹介します。
都市部での子育てでストレスを感じるポイントの一つとして「人口の過密」がありますが、それによる弊害で、幼児向け施設の予約困難、病院の長時間診察待ちなどは日常的に発生していました。
子どもの習い事ランキングで上位常連のスイミングですが、隣の駅では幼児クラスが4年半待ちという異常な状況になっていました。
インフルエンザの予防接種を受けるにしても、みんなが一斉に予約を始めるので、予防接種を受けられる病院のリストに片っ端から電話して、10件、20件かけてようやく予約できるという状況です。
支援センターや保育園では一時預かり保育を提供しており1か月前から予約可能なのですが、予約を取りたい日の1ヶ月前の朝9時から何度も電話し、ようやく繋がっても予約がいっぱいになっているという状況もよくありました。
地元にUターンしてきたことで、子育て世代における「見えない競争」によるストレスは幾分軽減したように思います。
このメッセージを送っていただいた方は都市部の大手証券会社に勤めていましたが、子育てを機にUターンを決意されました。人が密集する都会での子育てに負担を感じていたからこそ、地方での子育てのメリットを強く感じられているのかもしれません。
私も子育てを理由に妻の地元である香川へIターンをしています。東京から香川に移住してから子育てを始めたので都市部での子育ての大変さを知っているわけではありませんが、それでも公園に行って急に雨が降ってきた時などに東京での電車生活を思い出して「車で家まで帰れるのはありがたいな」と思うことがたびたびあります。
そう感じるのは都市部や電車社会、地方が車社会だからですが、これも「人口の過密」から生まれる違いだと思います。密集しているから電車で行ける、土地の価格が高くて駐車場が借りられない、という理由で車を必要とする人がそもそも少ないのだと思います。
都市部と地方の人口密度はどれくらい違うのか
総務省統計局「令和2年 国勢調査」によると、東京の人口密度は「6,410人/k㎡」と四国の各県に比べて12倍以上の密度となっています。東京都の面積は2,194k㎡、香川県の面積は1,877k㎡とあまり差がないにも関わらず、12倍以上の人が住んでいるというのは驚きです。
都道府県 | 人口密度 |
---|---|
東京都 | 6,410人/k㎡ |
香川県 | 507人/k㎡ |
愛媛県 | 235人/k㎡ |
徳島県 | 174人/k㎡ |
東京23区で見ると人口密度は「15,485人/k㎡」とさらに高くなり、10㎡の空間に1人以上の人が住んでいる計算になります。区によっては2万人を超える超過密ぶりとなっており、コロナ禍によってやや一極集中の動きが鈍ったものの、人口密度が極めて高い状況は続いています。
ちなみに、世界トップクラスの利用者数を誇るJR新宿駅の1日当たりの乗車人数は「約52万人(出典:JR東日本/2021年度)」。一方、JR高松駅の1日当たりの乗車人数は「9473人(出典:JR四国/2021年度)」となっており、電車内での過密も都市部と地方では大きな違いがあります。
人口が多い分、都市部の方が幼児向けの施設や小児科の数も多いため、子ども1人当たりの選択肢の数に大きな違いはないように思いますが、口コミなどを参考に「ここが良い!」となれば簡単に許容を超える人が殺到して「習い事が数年待ち」「予防接種の予約ができない」といった問題が発生するのかもしれません。そうした過密した生活の中、子育てに関わる行動のあらゆる場面でストレスを感じていたら、「UIターンして子育てしよう」という結論に至るのも頷けます。
過密から解放されることのメリット
人口密度が低いということは、一人ひとりの空間が広いということです。人口密度が低い方が、飲食店の席が広い、住む家が広いといった傾向があるように思います。もちろん、コンビニまでの距離が遠いなどのデメリットもありますが、子育てにおいてはメリットを感じることの方が多いように思います。
先日、子どもを連れて徳島県にある「木のおもちゃ美術館」に行ってきたのですが、そうした子育て環境の良さを改めて実感しました。
木のおもちゃ美術館は「0歳から100歳まで楽しめる」をコンセプトにした美術館で、木の香りが広がる館内には様々なおもちゃ遊びが用意され、森の素材を使った工作体験なども楽しめます。
敷地内には科学館やプラネタリウム、大きな遊具を備えた公園なども併設されており、1日では遊びつくせないほどの大きな施設となっています。徳島市から30分程、高松市から1時間程と、自然に囲まれた環境にあるにも関わらず、とてもアクセスが良いのも魅力です。
それにも関わらず、混雑はあまりしていません。昼過ぎには少し混み始めますが、それでも遊べないということはまったくなく、少し待てば子どもが遊びたいおもちゃで自由に遊ぶことができていました。
隣接したレストランも昼過ぎでも満席になることはなく、混んではいましたが待ち時間はありません。子どもの機嫌が悪くなることもなく、朝から夕方まで思う存分楽しむことができました。
都内でこんな施設を見つけようとしてもまず見つからないと思いますが、四国に来てからは幼児向け施設も、いちご狩りも、雪遊びも、「混雑で困った」という経験をしたことはありません。一人当たりの空間が広く、余裕を持った遊びを楽しめることは、地方で子育てをする大きなメリットだと思います。
子育てストレスは小さなストレスの積み重ねです。トイレが狭かったり、列に並ぶ時間が長かったりすると、少しずつストレスが溜まって大人にとっても子どもにとっても楽しめない悪循環が発生してしまいます。地方暮らしはこうしたストレスを軽減してくれます。日々の子育てで小さなストレスの積み重ねに悩んでいるのであれば、四国にUIターンして子育てすることが解決策のひとつになるかもしれません。