UIターン前に知りたい徳島の暮らし【学校環境編】
こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの植村です。
今回は「徳島県の学校事情」をお伝えします。
ご家族で徳島にUターン・Iターンされた場合、お子さんがどんな環境で過ごすことになるのか気になりますよね。小学校・中学校・高校・大学と、カテゴリごとに徳島の学校事情をまとめていますので、よろしければ参考までにご覧ください。
小学校:「公立小学校数は全体の9割以上」
徳島県は公立の小学校数が圧倒的に多く、ほとんどの小学生は各市町村の教育委員会が指定した家の近くの小学校へ徒歩で通っています。そのため、近隣地域の子どもが一緒に登校する「集団登校」を実施している学校も多い印象です。集団登校では、低学年でも親の付き添いなく通学できるほか、子ども同士が学年関係なく繋がることで、保護者も地域に馴染みやすいというメリットがあります。
ちなみに、国立は「鳴門教育大学附属小学校」のみ、私立は「徳島文理小学校」と「生光学園小学校」の2校となっており、いずれも徳島市内にあります。
近年、人口減少に伴う学校の小規模化が問題となっていますが、この課題解決に向けスタートした小中一貫教育「徳島モデル」推進事業により、チェーンスクール(分散型小中一貫教育)・パッケージスクール(一体型小中一貫教育)が複数のエリアで実践されており、多様な学びの場が生まれているようです。
各地域の取り組み内容については、以下の徳島県ホームページをご覧ください。
中学校:「小学校の延長線上か、中高一貫か」
中学校も小学校と同じく、教育委員会で指定された自宅近くの公立学校へ入学されるお子さんが多く、友人もそれほど大きく変わらないため、一般的に中学校は小学校の延長線上にあるもの、と捉えられています。
ですが、もちろん全員が決められた中学校へ進学するわけではありません。徳島県内には公立の中高一貫校が3校、私立が2校ありますので、小学校入学時よりは選択肢が広がります。
中高一貫校の中には、小学生とその保護者を対象とした学校体験説明会を設けているところもありますので、事前に開催日をホームページ等でチェックし、実際に参加した上で判断されると良いと思います。
◇徳島の中高一貫校(併設型)は以下5校です。
・公立:徳島県立城ノ内中学校(徳島市)、徳島県立富岡東中学校(阿南市)、徳島県立川島中学校(吉野川市)
・私立:徳島文理中学校(徳島市)、生光学園中学校(徳島市)
高校:「公立高校普通科は学区制、高専は2校に」
公立高校の普通科は以下3つの学区に分かれており、学区外からの合格許容率は10%から15%で設定されています。よって、普通科への進学を希望する場合は、学区内の高校へ願書を提出するケースが一般的です。
<公立高等学校 普通科 通学区域>
※参考:文部科学省/高等学校教育の改革に関する推進状況
但し、中高一貫校である公立3校と、「徳島県立城東高校」、その他全日制課程における専門教育を主とする学科、総合学科及び定時制課程における学科の学区は全県となっているため、受験にあたって居住地域を気にする必要はありません。
ものづくりに興味関心のある生徒が、中学卒業後の進路希望先として一番に名前を挙げるのが、国立の「阿南工業専門学校」です。将来有望なエンジニアを育てる学校として有名で、県内でも人気の高い学校です。
そして今、県内外から注目されているのが2023年4月に開校した「神山まるごと高専」です。高専といえば技術系という概念を覆し、テクノロジーやデザイン教育、起業家精神の育成といった独自のカリキュラムを学べます。ワクワクするホームページが公開されていますので、是非ご覧ください。
大学・短期大学:「県内大学への進学率は4割弱」
教育委員会の令和2年度教育調査報告書によると、高校卒業後の大学・短大への進学率は全体の約55%、就職率は約22%となっており、約半数は進学を選択しているようです。県内外別の進学状況をみると、県内の大学への進学率は約37%となっており、約6割は県外の大学へ進学していることになります。
そもそも徳島には公立の大学がなく、国立大学2校、また私立大学も2校と全体的に数が少ないため、必然的に進学エリアを県外、四国外へと広げて検討するようになるのだと思います。
◇徳島県内にある大学・短期大学は以下7校です。
・国立大学:徳島大学、鳴門教育大学
・私立大学:四国大学、徳島文理大学
・短期大学:四国大学短期大学部、徳島文理大学短期大学部、徳島工業短期大学
また昨年は、検討エリアをさらに広げ、徳島の高校から米国の名門スタンフォード大学へ進学した方が話題になりました。もしかすると今後、この方をロールモデルに、第二・第三の海外大学進学者が出てくる日も近いかもしれません。
変化する徳島の学校環境
徳島県の学校環境は、先で紹介した「小中一貫教育推進事業」以外にも、時代の流れに合わせて様々な新しい取り組みが行われ、常に変化を続けています。
その先駆けとも言えるのが、オンライン教育に向けたICT環境の整備です。文部科学省の調査結果によると、令和2年度普通教室の無線LAN整備率は、なんと徳島が全国一位の98.5%となっており、全国平均値78.2%を大きく上回っています。
また、都市部の小中学生が、住民票を異動することなく徳島の公立小中学校の教育を体験できる「デュアルスクール※1」を2016年から実施、その他「ダイバーシティとくしま※2」の実現に向けては、全国初となる県立の夜間中学「徳島県しらさぎ中学校」を開校させるなど、その活動内容は他県からも注目を集めています。詳しい内容は、以下の徳島県ホームページにて紹介されています。
※1 地方と都市を結ぶ新しい学校のかたち「デュアルスクール」
※2 「ダイバーシティとくしま推進方針」の策定について
ここまで順を追って徳島の学校環境についてお話してきましたが、きっと都市部からのIターンになる人にとっては、不安な部分もあると思います。不安が大きい場合は、「デュアルスクール」の相談会やオンライン説明会へ参加し、実際に体験するかどうかを検討されると良いかもしれません。情報はフェイスブックなどでも発信されていますので、気になる方はチェックしてみてください。
学校は「何を重視するか」によって選ぶ環境は異なるものだと思いますが、私は「豊かな自然の中でのびのび子育てしたい」という思いが一番にあったので、あえて四国以外を選択しようとは思いませんでした。今のところ子どもたちは、勉強以外の大切なことも学びながら、日々笑ったり泣いたり楽しそうに過ごしているので、私自身も心穏やかな毎日を送っています。
あなたがお子さんの学校環境を考える上で、最も大切にしたいものは何ですか?
ご家族で後悔しないUターン・Iターンを実現できるよう、本ブログがお役立ちできれば幸いです。
<参考資料>
・徳島県教育委員会/R3年度学校基本調査統計表(確報値)
・文部科学省/高等学校教育の改革に関する推進状況
・徳島県教育委員会/徳島県立高等学校通学区域等に関する規則
・徳島県教育委員会/令和2年度教育調査報告書
・文部科学省/令和2年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)
<徳島の生活に関連するブログリンク集>
・都心部から徳島へのUターン・Iターン転職の際の年収変化・暮らしについて
・東京圏から四国への転職・移住をお考えの方必見!「地方創生移住支援事業」をご存じですか?
・UIターンで気になる住むところ「家族構成別の住まい選び体験談」
・UIターン前に知りたい徳島の暮らし【子育て編】
・UIターン前に知りたい徳島の暮らし【医療施設編】