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四国への移住・UIターンにかかるお金の話

こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの小野です。

四国へのUIターン転職を考える上で、仕事と同じくらい気になるのが「お金事情」ではないでしょうか。「移住にはどのくらい費用がかかるのか?」「都市部と地方で日々の生活費はどんな風に変わるのか?」など、具体的なイメージを持てていない方も多いと思います。私も東京から香川へ移住した時は引っ越し費用などを全くイメージできなかったので、とても不安を感じていました。

そこで今回は、移住にかかる費用や都市部と地方の生活費の違いについてまとめてみたいと思います。移住を検討する際の目安として参考にしてみてください。

移住にかかる費用

移住にかかる費用は大きく「①住居の初期費用」「②引っ越し費用」「③車の購入費用」の3つがあります。

①住居の初期費用
賃貸、住宅の新築や購入、古民家リフォームなどの選択肢によって変わりますが、ここでは賃貸の初期費用についてお話しします。例えば家賃が5万円だった場合、下記のような費用が必要となります。

  費用
家賃(初月分) 50,000円
敷金(家賃1ヶ月分) 50,000円
礼金(家賃1ヶ月分) 50,000円
仲介手数料(家賃1ヶ月分) 50,000円
火災保険料 20,000円
その他(保証会社に支払う費用やカードキー代など) 30,000円
合計 250,000円

敷金が2ヶ月分だったり礼金が不要だったりと物件によって違いますが、相場としては家賃の5ヶ月分が初期費用となるケースが多いようです。私の場合は新築の賃貸を借りたため敷金は2ヶ月分かかり、駐車場代も別だったため、家賃の6ヶ月分が初期費用として必要でした。



UIターンになると現地での内覧も大変です。何度も行き来すると交通費だけでも馬鹿にならない金額になってしまうため、事前にしっかり予定を組んで無駄なく物件を検討できるようにしておくことが大切です。

②引っ越し費用
引っ越し費用も荷物の量、運搬距離、引っ越し日時によって値段が大きく変わります。例えば関東から四国への引っ越しであれば平均的に15万円が相場となるようですが、あまりあてになりません。業者によっても値段が異なるため、複数社に見積もりを取ってその時の相場をしっかり把握しましょう。

引っ越しは「家具家電の処分費用や購入費用」「退去費用」など追加の費用が発生する場合があります。また、長距離の引っ越しになると1日では完結せず2〜3日かけて運ばれることになるため、その間の「移動費・ホテル代」なども必要になります。

私は6月の平日に妻と2人で引っ越しをしましたが、その時の引っ越し代は15万円でした。ほとんどの引っ越し業者に「運搬に3日かかる」と言われ驚きましたが、何とか費用と手間を抑えようと業者に掛け合い、翌日には届くように調整してもらいました。それでも最終的には以下のような金額がかかっています。

  費用
引っ越し費用 150,000円
家具家電(処分費用) 25,000円
家具家電(購入費用) 100,000円
引っ越し日の移動費 25,000円
引っ越し日の宿泊代 20,000円
合計 320,000円

家具家電の費用は古くなった掃除機を新しくしたり、新しい家に合わせて机や椅子を買ったりしたので合計で10万ぐらいかかりました。家具家電は良いものを買おうとするとキリがないので、先に予算を決めておくことをおすすめします。

③車の購入費用
地方での生活には欠かせない車の購入費用。私たちは実家で余っていた車を借りて移住し、しばらくして「40万円」程の中古車を買いました。購入してから半年の間に何回もキズを付けたので、ペーパードライバーの私たちにとって中古車という選択は正解でした。

少し脱線しますが、移住で車が必要になった時は「どのタイミングで買うか」に気を付ける必要があります。引っ越し後に購入する場合は「引っ越し直後は車を使えない」ことがデメリットになりますので、レンタカーや代車を借りることを考えないといけません。一方で引っ越し前に購入した場合は「引っ越し後にナンバープレートや住所の変更手続きなどが発生する」ことがデメリットになります。また、引っ越し前の住居で駐車場を借りなければならない場合もあります。いずれにしても少し手間がかかりますので、車の購入も事前の計画がとても大切です。

移住にかかる費用合計
ここまでの費用をまとめると「約97万円」。イメージしていた費用と比べてどうでしょうか?多いでしょうか、少ないでしょうか?

  費用
①住居の初期費用 250,000円
②引っ越し費用 32,000円
③車の購入費用 400,000円
合計 970,000円

今回は主な出費だけを取り上げましたが、それぞれに細かい雑費もかかっています。大きな金額になりますので、移住の前にしっかりシミュレーションしておきたいですね。


都市部と地方の生活費の違い

生活費の違いをお話しする前に、少しだけ収入の変化について触れておきます。弊社が転職支援をさせていただくことが最も多い30代・40代の方について、四国へUIターン転職された方の年収変化を見てみると平均で約2割の減少となっています。

(※各エリアの年収変化の詳細については、以下のブログをご参照ください)
【香川】:香川へのUターン・Iターン転職者の年収変化の実態。香川での生活とは。
【愛媛】:都心部から愛媛県へUターン・Iターン転職した際の年収変化
【徳島】:都心部から徳島へのUターン・Iターン転職の際の年収変化・暮らしについて

あくまで平均値なので参考程度にはなりますが、都市部で年収600万円の方が2割減少して年収480万円になる場合、毎月の大まかな手取りは「8万円」ほど減ります。この手取り額の差を踏まえた上で、都市部と地方の生活費の違いについて見ていきたいと思います。

都市部に比べて家賃はかなり安い
四国の賃貸物件の家賃は都市部に比べて安く、各エリアの平均的な家賃相場は以下のようになっています。

エリア 延べ面積 家賃
東京 65.18㎡ 81,001円
神奈川 77.80㎡ 68,100円
香川 107.48㎡ 44,020円
愛媛 98.67㎡ 40,819円
徳島 109.31㎡ 41,719円
高知 93.98㎡ 40,255円

※出典:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」専用住宅の1ヵ月あたりの家賃(都道府県別)

都市部が70㎡の部屋で7.5万円ほどかかるのに対し、四国は100㎡の部屋で4万円ほどとなっており、㎡単価でみると2倍以上の差があります。

実際に大手賃貸サイトで2LDKの家賃相場を比べてみると、東京都杉並区は平均14万円、香川県高松市は平均6万円なので「8万円」も安くなり、UIターン転職によって手取り額が下がったとしても、家賃だけで手取り額の差がある程度埋まることになります。

家賃以外の物価の比較
都市部と地方で家賃に大きな差があることがわかりましたが、その他の物価についてはどうでしょうか。物価全体の差を確かめるため、総務省が出している消費者物価地域差指数を見てみます。

エリア 家賃含む 家賃除く
東京 104.7 102.8
神奈川 103.1 102.4
香川 98.2 99.2
愛媛 98.1 98.9
徳島 99.2 99.8
高知 99.4 99.9

※出典:総務省「消費者物価地域差指数」小売物価統計調査(構造編)2022年結果

全国平均(100)に対する各エリアの物価の差を指数にした表です。つまり、食費や光熱費などの物価の全国平均が10,000円だとすると、東京は10,470円、香川は9,820円ということになります。物価の中でも家賃の差が大きいですが、家賃を除いても四国の物価は3ポイント程低くなっていることがわかります。

ただ、実際に移住をした時は、すごく安くなったという感覚はありませんでした。食品などの値段はあまり変わらず、地元産の新鮮な野菜や魚などを同じくらいの価格で買えるという印象です。

もちろん、日々の生活の中で費用を抑えられているシーンはあります。例えば週末に友人とBBQをしようと思った場合、都市部だとBBQスポットを予約して利用することも多く、その分費用もかかっていましたが、四国だと自宅の庭や河原などでBBQをすることができるため、まず施設利用料金はかかりません。また、各家庭で育てている野菜などを各自持ち寄るパターンも多く、食材費用が抑えられるだけでなく、収穫したばかりの新鮮な野菜を楽しむ、というメリットもあります。

BBQに限らず都市部では場所が限られているため、人を集めるとなると場所を確保するためにお金がかかりますが、自然豊かな四国ではそうしたコストをだいぶ抑えられるように思います。

ちなみに、物価の中には地方の方が高くなるものもあります。物価指数のカテゴリを細かく見てみると「光熱費・水道代」は東京が96.4に対して四国が平均101.2と、四国の方が高くなっています。例えば地方では都市ガスが整備されておらずLPガスしかない地域も珍しくないので、ガス代が高くなる可能性があります。

私も移住をしたときは都市ガスからLPガスに変わったのですが値段の高さに驚きました。水道代も自治体によって様々なので事前にチェックしておいてもいいかも知れません。

移住後に増える出費
生活費の中で移住後に増えたなと感じる出費に「車の維持費」があります。一般的なコンパクトカーであれば、年間当たり下記のような費用が必要になります。

  費用
税金 50,000円
車検・点検 50,000円
自動車保険 100,000円
ガソリン代 100,000円
その他(駐車場代/消耗品) 50,000円
合計 350,000円

税金や車検はもちろん、通勤、買い物、子どもの送迎など、何をするにも車の移動が基本になるのでガソリン代なども高くつきます。毎月3万円程の出費となりますので、車を持たれる際は維持費のことも事前に想定しておくといいでしょう。



都市部と地方の生活費の違いをまとめると「家賃が大幅に減る分、車の維持費がかかる」「日々の食費や日用品にかかる費用はあまり変わらない」といったイメージになります。

ただ、週末のBBQなどコストを抑えれるシーンはたくさんあり、車を持つことで子育てや通勤に大きなメリットがあります。なにより、同じ値段で鮮度の高い食品を買えることは地方の良さだと思います。どちらにも一長一短ありますが、個人的には地方の方が豊かな暮らしができるのかな、と感じています。

移住をサポートしてくれる補助金

ここまで出費を中心にお話ししてきましたが、ここからは移住を支援してくれる補助金の一部をご紹介します。もらえるものはもらっておこう!という貪欲な気持ちでしっかり調べることが大切です。「あのときもらえたかも知れないのに・・・」といった後悔がないようにしましょう。

※以下に紹介する補助金制度を受けるためには指定の条件を満たす必要があります。詳細は各行政機関のHPで確認してください。

地方創生移住支援事業(移住支援金)
東京23区(在住者または通勤者)から地方へ移住して就業を行う方へ、都道府県と市町村が共同で移住支援金を支給することで移住者の負担を軽減する制度です。移住者には 最大で100万円(単身者は60万円)が支給されます 。

参考:東京圏から四国への転職・移住をお考えの方必見!「地方創生移住支援事業」をご存じですか?

家賃補助事業(香川県)
移住を促進することによる地域の活性化を目的として、県外から転入した賃貸住宅の居住世帯に対し、家賃や初期費用の一部を補助する事業です。家賃については上限2万円×12ヶ月、初期費用については上限6万円が支給されます。市町村によって実施していない場合や、上限金額・補助期間が異なる場合がありますのでご注意ください。

移住者住宅改修支援事業(愛媛県)
移住者が空き家の住宅改修などを行う経費に対して、愛媛県と市町村が連携した補助を実施しています。愛媛県外からの移住者が空き家バンク等を通じて購入・賃借した一戸建て住宅の改修に対して、最大420万円が補助されます。

子育て世帯向け移住促進支援金(徳島県)
移住する子育て世帯の経済的負担の軽減を図ることを目的に、就学児がいる子育て世帯の方が徳島県に転入する際に移住支援金として10万円が支給されます。また、2年間定住すれば定住応援金として10万円が支給されます。



ここに紹介した補助金は一部の例です。これ以外にも県や市町村で様々な取り組みをしていますので、移住先の行政機関のホームページはしっかり確認して情報収集しておきましょう。

移住は生活も仕事もガラッと変わるため、現職の退職手続きや転職先の入社手続き、市役所などの手続き、引っ越し業者の手配など、スケジュールに追われてバタバタします。だからこそ、お金については事前にしっかりシミュレーションして、落ち着いてUIターンできるように準備を進めておきたいですね。今回のブログがUIターンを検討する方の参考になれば幸いです。