円満退職を実現するための注意点・ポイント
こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの井上です。
転職活動をする方が抱いている共通の悩みの一つとして「円満退職するために、どのように退職活動を進めていくべきか?」というものがあるかと思います。次へのキャリアに向けて気持ちは高まる一方、今までお世話になった会社に退職を告げなければならないことを気に病む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそも円満退職とは、会社側とその従業員がわだかまりが無いようにお別れをすることです。しかし、実際に退職を申し出てみるとトラブルになってしまい円満退職が叶わなかった、というケースも少なくありません。主なトラブル内容としては、上司からの強引な引き留めや退職時期の引き延ばしなどが挙げられます。稀なケースではありますが、転職先企業にネガティブな情報を吹聴されるということもあるようです。
こういったトラブルは退職時に注意するべきポイントに留意して行動をすることで、幾分か回避できるものだと思います。そこで今回は、皆さまの退職交渉がスムーズに進むことを願い、円満退職に導くための注意点やポイントについてお話ししたいと思います。
1.退職時期を明確に決めて、自分自身の意志を固める
退職という選択をする際、まずは「退職をしたいという気持ちはどこから来ているのか?」「今の会社で続けることはできないのか?」という観点で自身の気持ちを整理してみましょう。その上で、どうしても退職するしかないという結論にたどり着いたら「○月○日に退職する」という明確なゴールを決めます。
なぜ退職したいのか、いつまでに退職するのかということを言語化し意識付けることで、退職交渉時に上司からの引き留めに合ったとしても気持ちをぶらさずに向き合うことができます。
また、退職時期を決める際、繁忙期を避けることも大事なポイントです。退職時期と重ならないよう、長期的な目線でスケジューリングしてください。
2.退職日までの流れをシュミレーションする
法律上は2週間前、会社の就業規則では1ヶ月前までに退職を申し出ることと定められているケースが多いですが、後任の配置異動や新規採用、そして引継ぎ業務のことを考えると、少しでも早めに退職の意向を伝える方が双方にとって都合が良いでしょう。退職までの期間が短すぎると、退職時期の引き延ばしを要請される場合もあります。責任を持って引継ぎを行う為にも、引継ぎ期間を十分に確保することが必要です。
実は私も過去に転職経験があり、会社に退職を告げた際、「冗談はやめてくれ!」とまともに取り合ってもらえず、同部署のメンバーになかなか退職意向を伝えさせてもらえないという出来事がありました。結果、引継ぎスタート時期が後ろ倒しになり、慌ただしく引継ぎ業務を行うことになったのですが、この経験からも退職日は余裕を持ってスケジューリングすることをお勧めします。
3.退職を申し出る順序を間違わないようにする
原則、一番関わりの深い直属の上司に伝えるというのがマナーであり礼儀です。他の従業員から退職話が漏れ聞こえてくる、ということはあってはなりません。その部署の管理を任されている上司が部下の退職の意向を把握していないとなると、管理者としての面目丸潰れです。そのことが原因となって人間関係に亀裂が入り、退職時まで円滑に業務を進めにくくなることも。
一方で、きちんと筋を通して報告することで、後々退職交渉に難航した際に上司が助け船を出してくれる可能性もあります。そういった意味でも退職報告する順序を間違わないように細心の注意を払いましょう。
ただし、職場の状況によってはこのケースに当てはまらない場合もあると思います。まずは職場での人間関係を振り返り、誰に一番に報告すればよいかを十分に検討しましょう。
4.退職理由はあくまで個人的な都合であることを伝える
退職理由を伝える際は、会社の不満を口にするのは厳禁です。その理由を聞いた上司は気分を害してしまうでしょう。また、あなたが重要なポジションを担っている方であればあるほど「不満要素を改善するから、辞めないでほしい」と提案して退職を慰留してきます。
円満退社の交渉を進める上では「今までとは異なる業界にチャレンジしたい」というような前向きな理由であることを伝えるのがベストです。そして「今の職場ではその希望は叶えられないので仕方ない」と理解してもらうことが重要です。
なお、家庭の事情などがある場合は率直にその理由を伝えるのも一つの方法です。
5.引継ぎは早めに取り掛かる
責任を持って最後まで職務を全うする為にも、引継ぎ準備は早めに始め、丁寧に取り組むようにしましょう。会社側の都合でなかなか引継ぎ業務に取り掛かれないという場合もあるかもしれませんが、引継書の作成・書類の整理など、前もって進められる作業はいくらでもあると思います。
忙しい通常業務に追われ引継ぎが後回しにならないよう、自ら主導的に引継ぎスケジュールを立てて進行させることが大切です。
6.同僚のモチベーションを下げるような発言はしない
退職の意向を同僚に伝えると、決まって尋ねられるのが退職理由だと思います。上司への退職理由を伝える時と同様、会社の不平不満を言うことや転職先のアピールは避けましょう。会社に残る同僚のモチベーションを下げてしまうかもしれませんし、同僚の退職願望を高めてしまう、ということにも繋がりかねません。
退職するまでは会社の一員であるという自覚を持ち、最後まで気を引き締めて業務に当たりましょう。
「退職」=「会社や上司からの期待を裏切る行為」のように感じ、後ろめたい気持ちになる方もいらっしゃると思います。しかし、会社側と正面から向き合うことを避けてしまうと、より関係性が悪化し円満退社を実現することができません。
退職を申し出ることは時に勇気とパワーが必要になるかもしれませんが、きちんと区切りをつけて気持ち新たにスタートを切る為にも誠実に向き合う必要があるのではないでしょうか。なるべく早めに退職を切り出す、相手に配慮した言葉を選んで退職意志を伝える、残された同僚が困ることがないようしっかりと引継ぎ準備を行うといったように、ひとつひとつの行動を相手のことを気遣いながら誠意を持って行うことが退職トラブルを最小限にとどめるポイントだと思います。
是非、円満退社を望む方は以上の点に注意して退職活動を進めてみてください。